国民番号制(マイナンバー)導入まで3年、交錯する期待と不安

しかし、日本医師会からは「ITの世界で絶対的な安全は存在しない。病歴などの機微な個人情報保護のためには、もう一段の仕組みが必要」(石川広己常任理事)と警戒の声も少なくない。

経済界が求めている民間利用のあり方についても、法案の中で「今後の検討課題」とされる方向だ。

民間企業が番号制にアクセスできるようになると、生死を含めた顧客の最新の所在情報が確認できるようになる。たとえば、貸金業者は現在、返済が滞る借り手の最新の住民票を郵便で自治体に問い合わせている。番号制が導入されれば、この作業が簡素化される。

日本弁護士会の番号制対策ワーキンググループ座長の清水勉弁護士は「世の中にはさまざまな事情で住民票を更新せず、住所が捕捉できない人が数多くいる。番号カードを持っている人には行政サービスを施し、持っていない人と区別する。そんな社会がはたしてよいのか」と問いかける。

8億口座の名寄せ 銀行協会は及び腰

番号カードの配布や社会福祉の現場の実務を担うことになる市町村の間には期待と不安が交錯している。

情報化で先進的な取り組みを続けている東京・三鷹市は、「番号制が導入されれば、税や社会保障分野での行政手続きが簡便になり、業務も正確になる。縦割りの行政組織に横串が通り、行政が大きく変わるかもしれない」(後藤省二・地域情報化担当部長)と期待を寄せる。 

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