それでも「日経平均5万円」が十分到達可能な理由 トランプ関税も日本の大きな痛手にはならない

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武者 陵司(むしゃ・りょうじ)/武者リサーチ代表。1949年生まれ。横浜国立大学経済学部卒業。1973年、大和証券入社。アメリカ勤務を経て1997年、ドイツ証券入社。2005年副会長。2009年から現職(編集部撮影)
国内外に不安材料を抱え、なかなか上昇基調に乗れない日本株相場。だが、武者リサーチ代表の武者陵司氏は「今の株価の倍くらいの水準を達成しうると、理屈上は計算できる」と話す。どういうことか。また、直近の米トランプ政権や日銀、財務省の動きをどうみるか。武者氏に詳しく聞いた。
※記事の内容は東洋経済の解説動画「【日経平均5万円には難なく到達?】日本株が「異常に割安」といえる理由」から一部を抜粋したものです。外部配信先では動画を視聴できない場合があるため、東洋経済オンライン内、または東洋経済オンラインのYouTubeでご覧ください。
※動画は2025年2月19日に収録したものです。
撮影・編集:昼間將太

まだまだ「異常に割安」の状態

――以前から「日本株はかなり割安」と主張しています。

企業の稼ぐ力(1株当たり利益)に対する株価の割合、これを益回りというが、これと国債の利回りとの兼ね合いで、株価が割高か割安かは端的にわかる。いわゆる「イールドスプレッド」だが、このスプレッド(乖離)が著しいのが今の日本だ。

例えば1990年当時、日経平均は4万円弱あったが、そのときの益回りが大体1.5%だった。一方で国債の利回りが8%弱あったわけで、どう考えても株は異常に割高だった。

それが現在はどうか。2024年で株式の益回りが7%。国債の利回りが1%以下。1990年当時とは真逆で、今度は株式のほうが著しく高いリターンを提供している状況だ。

歴史的にみれば、両者(国債の利回りと株式の益回り)はその時々でどちらかが上に行ったり、下に行ったりしながらも、ほぼ同じレベルに収斂するものだ。日本でこれから金利が上がるとして、それがせいぜい3%くらいだとすれば、益回りも3%くらいになるのが妥当といえる。

これはPERで30倍を超えてくる水準で、PER16倍である現在の2倍程度の株価がフェアバリューだということになる。そのような計算に立てば、たとえ利益が大きく上昇しなくても、日本株は今の株価の倍くらいの水準を達成しうる。まだまだ異常に割安の状態が続いているということだ。

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