それでも「日経平均5万円」が十分到達可能な理由 トランプ関税も日本の大きな痛手にはならない

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――すると今の日本株は「過小評価」されていると。

著しく過小評価されている。その理由は、びっくりするほどよくなっている日本企業の収益性やその持続性に、投資家がまだあまり確信を持てていないことではないかと思う。

かつて世界を風靡した日本企業も今は負け組、というイメージが定着してしまっている。でもこれが大きな間違いで、私は日本企業の成長力は上がっている、これから弾みがつくと考えている。

2013年以降のアベノミクスの成果として、法人企業統計の売上高・税引き利益率は、アベノミクス前の0.9%から現在の5%超まで、5倍に引き上がっている。要因は、企業がビジネスモデル転換を図りグローバルで稼げるようになったこと、法人税が著しく減税されたことなどだ。

また、韓国、中国、台湾に持っていかれた製造業の競争力も、今は米中対立で再び日本に戻さなければならないということになり、追い風が吹いている。地政学的要素に加え為替も円安に振れ、日本企業が大きく復活する土台が整った。

トランプ大統領が「意外とよくやる」可能性

こういった点が、なぜ株式市場に評価されていないのでしょう。

マクロエコノミストの影響力が強すぎるせいではないか。マクロの視点で見ると、アベノミクスが始まった後も実質GDPは500兆円くらいでずっと横ばい。まして家計消費は消費増税もあって落ち込んだまま、2014年のピークをいまだ超えていないという認識でいる。

エコノミストはそういう頭で日本を世界の投資家に紹介し、そして財務省は、日本は財務赤字で大変だということばかり強調する。だから多くの投資家はネガティブな色眼鏡をもって日本を見ることに慣れ、底流で起こっている、日本企業の収益力の劇的な回復には、まだまったく目が行き届いていない。

――そうすると日経平均は、2024年7月の水準を超え、もっと上に行っていいということですね?

私はまだいくらでも上値余地があると思っている。その上値余地を支える1つの要素は、トランプ大統領が意外とよくやる可能性が強そうだ、ということだ。そうなれば世界的な株高がやってきて、日本株の相対的な割安感が際立ってくるはずだ。

多くの人はトランプ氏を「ルールを無視する独裁的な人」「何をしでかすかわからない人」とみるかもしれない。ただ別の見方をすれば、非常にわかりやすい人でもある。それは、トランプ氏は徹底的な資本主義の担い手だということだ。

その資本主義が今大きな危険にさらされていて、何とかしなければならないというのがトランプ氏の最もプリミティブな動機になっている。イーロン・マスク氏などテック業界のビリオネアと共鳴しているのもこの点だ。

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