それでも「日経平均5万円」が十分到達可能な理由 トランプ関税も日本の大きな痛手にはならない

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――では、どうすればこれを変えられるかと。

変える方法を皆で議論して、いい解決策を見つけましょう、なんて理想主義的な手立てで何とかなるかというと、相手はルール無視でやってきているわけだから難しい。ここはかなりリアリスティックに、力をもって相手をねじ伏せることが必要だ。

トランプ氏の関税政策も、そのような大きな流れの一環で出されてきている。関税に関していろいろ言われるけれども、目的は相手を威嚇して相手に譲歩させることだけなのか。あるいは、真の狙いは中国なんだけど中国だけをやり玉に挙げると摩擦が大きいので、ほかの国も挙げてカムフラージュしているのか。本心はまだはっきり見えない。

ただ、世界の通商秩序をめちゃくちゃにして、中国やロシアのような「ならず者国家」が利するような結果に至ることは、当然トランプ氏も望んでいないだろう。

したがって、トランプ関税の問題でエコノミストは大騒ぎしているが、アメリカのマーケットもヨーロッパのマーケットも平静だ。これは、「最終的にトランプ氏はそんなにひどいことをしないだろう」と(投資家が)考えているということだろう。

日本の自動車メーカーは大丈夫?

――日本ではとくに自動車産業への影響が心配されていますが、ここもそこまで大きなマイナスにはならない可能性が?

日本の自動車産業はかつて日米自動車摩擦を経験し、アメリカへの輸出を抑えて現地生産の割合を増やしてきた。その結果、日本の自動車メーカーはアメリカの自動車メーカーと同様にアメリカで造り、メキシコやカナダでの生産もももちろんあるものの、その量は現地の自動車メーカーとほぼ変わらないという生産ポートフォリオになっている。

加えて自動車輸入関税でいえば、日本が0%なのに対し、アメリカは2.5%、トラックに至っては25%だ。トランプ氏は関税について、相対で導入を検討していくという趣旨のことを言っている。その点では、日本はアメリカより関税が低いので、むしろ日本には有利な部分もある。

これらを踏まえると、トランプ関税が日本の自動車メーカーの経営や収益に大きなマイナス影響をもたらす可能性は低いだろうと、安心してみていてもいいのではないかと思う。

撮影・編集:昼間將太
福井 純 「会社四季報オンライン」編集部長

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ふくい・じゅん / Jun Fukui

『会社四季報プロ500』編集長などを経て現職。『株式ウイークリー』編集長兼任。国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe®)、日本テクニカルアナリスト協会理事

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