米国株は「目先の下落」を過度に警戒しなくていい 注目セクターは「ハード」から「ソフト」に変化へ

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

――すると、ハイテク株を中心とした生成AI相場は今後も続き、アメリカ株はまだまだ強いとみていいのでしょうか。

もちろん、トランプ政権の政策などによって多少上下に振れることはあるだろう。ただいずれにせよ、アメリカ株に対しては基本強気でいていいと思う。なぜなら、アメリカ市場の中で最もウエイトの大きい業種がハイテクだからだ。これは製造業のウエイトが大きい日本などとはまったく構造が異なる。

ITやDXを含むハイテクが強い国は、基本的に株価も強い。人がさらなる便利さや経済成長を求める中で最も重要なのは技術だ。そして半導体にせよ何にせよ、革新的な技術というのは新しく更新される以外に道がない。

かつて紙媒体だったものがExcelやWordになり、さらに高速で処理できるプログラムになっていったが、生成AIもその流れの一環で登場したものといえる。ぽっと出てきた大発明ではなく、DXの発展形なのだ。

こういった新技術は、今後も一定のサイクルで必ず出てくる。そしてそのための先進的な研究開発をやっている会社のウエイトがいちばん大きいのがアメリカ。ここを完全に中国にとって代わられるようなことでもない限り、アメリカ株は強気にみておいていい。

ハイテク株は長期目線では強いものの

――トランプ関税の影響もあって、インフレが進むのではないかという懸念もあります。金利上昇にもハイテク株は強いと思っていい?

基本的に、ハイテク株にとっては金利が下がる局面のほうが有利だ。テクニカルな話なので詳しく触れないが、金利が上昇する局面では割安株、金利が下落する局面ではハイテクを含む成長株が買われやすくなる。

少し前までは利下げ、利下げだったが、足元は長期金利がどんどん上がってしまっている。なのでハイテク株は、長期目線では依然として強気でいていいものの、目先はやや話が異なる。

例えば、大幅な利上げが行われた2022年に何があったかを思い出してほしい。基本的に成長株ばかりであるアメリカの株式市場は、調整というレベルでは済まないくらいの大きな下落を経験した。

足元、S&P500指数銘柄のPER(株価収益率)を見ると、ITバブルのころ、あるいはコロナショック後の過剰流動性バブルのころと同じくらい高い状態にある。つまり、異常事態のときと同じくらい割高であることは間違いない。これが金利の上昇をきっかけに崩れるかどうかは誰にもわらないが、どこかで下がる局面が出てきてもおかしくない。

次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD
マーケットの人気記事