青春18きっぷ改定後、格安移動の「傾向と対策」 移動手段か旅情重視の鉄道旅か分けて考えよう
フェリーというと「大部屋で毛布にくるまって寝る」「食事が高くてまずい」などという印象を持つ人もいるかと思うが、近年はフェリーの質もかなりよくなった。現在の新造船には大部屋はなく、全個室の船が多い。数年もすると、離島便を除く長距離フェリーから大部屋が消えそうな勢いである。
ゆったり寛げるのがフェリーの魅力である。運賃は繁忙期と閑散期で異なる場合があるものの、その差は小さく、航空のような日付によっての大きな差がないのがいい。フェリーに弱点があるとすれば、外洋航路は天候によっては揺れることだ。冬の日本海航路などを避け、穏やかな瀬戸内海航路などから「船に慣れる」のもいいだろう。航路を知っておくことも必要で、大阪―北九州間は瀬戸内海を行くので揺れることはまずないが、神戸―宮崎間は外洋を行くので台風が近づいていたりすると波がある。
鉄道以外に「刮目して待つべし」
LCC、高速バス、フェリーに共通しているのは、どれも青春18きっぷより運賃が高くなるが、移動ははるかに快適になることだ。JRの普通列車は、座席のロングシート化で設備が年々簡素になり、運行区間を短くして乗り換えが多くなる傾向がある。同じ鉄道会社が新幹線や特急などを運行している手前、普通列車をあまり快適にしたくないという事情がある。その点、LCC、高速バス、フェリーなどは「快適にするために、やれることはやっている」というものを感じ、それが利用者にも伝わっているのであろう。
使いにくくなった青春18きっぷに関しては、現状では「去る者を追わず」、そしてLCC、高速バス、フェリーに関しては「刮目して待つべし」という気持ちで臨めばいいのではないかと思う。これら事業者は、青春18きっぷのルール改定を、一種の商機と捉えているのだろう。
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