青春18きっぷ改定後、格安移動の「傾向と対策」 移動手段か旅情重視の鉄道旅か分けて考えよう
青春18きっぷを使わない格安移動手段の王道になりそうなのはやはり高速バスである。かつてJRに快速「ムーンライト」があり、夜のうちに移動できる格安手段であったが、現在は夜行需要のほとんどは高速バスとなった。
線路上を運行する鉄道に比べるとバスはいくら座席などを工夫しても快適性に限界があるのは致し方ないが、慣れれば快適で、熟睡とまではいかないものの「かなり眠れる交通機関」となった。少なくともムーンライトよりはずっと快適だと思う。
3列独立座席で、カーテンで仕切れる構造の車両が多いほか、バス会社各社が工夫を凝らしている。筆者が岩手からの帰京時に利用した夜行バスは、最初から全席のリクライニングが最大限倒されていた。夜行バスのリクライニング角度は大きく、それを最大限倒すのは後ろの人を気にしてしまい、深いリクライニングが「絵に描いた餅」になることが多いので、最初から最大限倒しておくのは良いアイデアと感じたものだ。
夜行高速バスは、古くから運行し鉄道の時刻表などに掲載されている私鉄系のバス会社と、近年ツアーバスとして誕生、それが定期路線バスとなった路線に大別されるが、筆者の印象では、後者のほうが新規参入ということもあって、バスを快適にするためのさまざまなアイデアがあるように感じる。検索サイトを利用、車内設備などをよく吟味して便を選ぶことをお勧めする。3月からは東京ー高知間を、日本では初めての寝台バスが走ることになった。
設備改善で断然快適になったフェリー
フェリーが車なしの一般利用者にも定着しているのは関西発着の四国、九州便。大洗、新潟、京都、福井発着の北海道便、名古屋―仙台―苫小牧便などであるが、知名度が低いものの東京―徳島―北九州間も毎日運航しているほか、近年は横須賀―大分などという航路もある。
フェリーはトラック輸送などの物流事業に支えられていて、そのトラックもトレーラートラックの荷台部分だけを運んでいるケースが多くなった。つまりは乗客が少ない路線も多い。運航時間帯は夜行便が中心である。
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