このPHEVについても、「現場の声がきっかけだった」と劉氏は紹介した。ユーザーをはじめ、学校や企業などと対話を重ねる中で、「EVは航続距離や充電スポットが心配だ」という声が出た。その声に「いち早く応えたい」と思った結果だという。
BYDでは、今後も年に1車種の割合でニューモデルを発表し、乗用車については2027年頃までに7〜8車種を用意できるようにしたいと東福寺氏は語った。

車種が増えればネットワークを拡充する必要もあるが、こちらについては現時点ですでに59店舗がオープンしており、2025年中に100を目指すとのことだ。
テスラとはまったく異なるアプローチで
BYDのライバルとして、テスラを挙げる人は多い。どちらもEVを得意とする新しいブランドだからだろう。
しかし、ここまでの経緯を読んでもらえれば、テスラとは対照的なアプローチであり、むしろ日本のブランドに近い地道な取り組みをしていることがわかる。

くわえてPHEVの導入については、日本のブランドよりもフットワークの軽さを感じる。だからこそ、乗用車に参入してわずか3年で、ここまでの注目を集めるブランドに成長しているのだろう。
それ以上に印象的だったのは、「電動車を売るのではなく、電動車を使った新しい暮らしを届ける」という劉氏のメッセージだ。
電池からスタートし、バスで地位を築いてきた会社らしいし、クルマ視点ではなくモビリティ視点であることが伝わってくる。
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かつてのいすゞや日野のように、今の日本で乗用車と路線バス車両の両方を開発生産するメーカーはない。
しかも、バスは長い歴史を持つモビリティサービスであるうえに、ここまで書いてきたように電動化のメリットも大きい。バスとの合同説明会としたことは、乗用車の電動化に説得力を持たせることができたと感じた。
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