芸人・天津木村が岩手で広げた"新境地"の充実感 「覚悟を決めて一歩踏み出せば、人生何とかなる」

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有名なキャリア理論のひとつにPlanned Happenstance(計画された偶発性) 理論がある。

これは、アメリカで成功したビジネスパーソンのキャリアを調査したところ、そのターニングポイントの8割が本人の予想しない偶然の出来事によるものだったという研究成果に基づいて発表された理論で、偶然の出来事をポジティブに生かした人たちは、以下の5つの行動特性を持っているとされる。

1. 好奇心 (Curiosity)
2. 持続性 (Persistence)
3. 柔軟性 (Flexibility)
4. 楽観性 (Optimism)
5. 冒険心 (Risk Taking)

木村さんは「エロ詩吟」誕生時も、先輩芸人たちから与えられたヒントをそのまま芸に反映させるという柔軟性があった。さらに不遇の時代もバイトをしながら再起を狙う持続性も持ち合わせていた。

さらに、縁もゆかりもない土地に飛び込む冒険心。そして本人が言う「ポジティブは得を生む」という思考は楽観性に通じるものがあるし、新天地で出会う人や文化をおもしろがる好奇心が道を拓いたと言えるだろう。

木村さん自身は「住んだからこそわかったことばかり。覚悟を決めて一歩踏み出せば、人生何とかなるもんです」と語り、その表情には自信がのぞく。

地方でのパラレルワーク、「あると思います!」

岩手に来てからは木村卓寛としてのMCやロケが中心だが、コンビとして「天津」の活動も続いており、毎年3月にはコンビで「天津ロード」と題して、岩手の舞台に立つ。

コンビ「天津」
木村さん(左)と相棒の天津飯大郎さん。3月29日に天津の単独ライブ「天津ロード~ちょうど4年前に~」を盛岡劇場で開催する(写真:吉本興業)

一方で、50代に向けては、昨今の"マルチワーク""パラレルワーク"といった働き方のトレンドもチェック済みで、タレント業以外で収入を得る道を探っているのだという。

「これからの人生は今までやってこなかった分野で収入を得ることを考えたい。お笑い芸人の枠にとらわれず、岩手で自分の好きなことで誰かに楽しんでもらえる方法を探していきたい。地方でのパラレルワーク、『あると思います!』」

→【前編】エロ詩吟から岩手の人気者に「天津木村」の現在地

手塚 さや香 岩手在住ライター

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てづか さやか / Sayaka Tezuka

さいたま市出身。毎日新聞の記者として盛岡支局や学芸部で取材経験を積んだ後、東日本大震災からの復興の現場で働くため、岩手県釜石市に移住。復興支援員として活動し、2021年にフリーランスとして独立。一次産業や地方移住の分野を中心に取材・執筆しているほか、キャリアコンサルティングや地域おこし協力隊の支援活動も行っている。

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