芸人・天津木村が岩手で広げた"新境地"の充実感 「覚悟を決めて一歩踏み出せば、人生何とかなる」

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移住した当初は、週1の番組出演だけで生活するのは厳しく、ヒロミさんのYouTube動画を編集するアルバイトもしていたが、今ではタレント業だけで暮らせるようになった。「大盤振る舞いできるわけではないけれど、超満足。バイトをせずに家族が一緒に暮らせていければ十分」と満足げだ。

テレビ番組の出演風景
移住のきっかけとなった朝の情報番組『GO!GO!いわて』(写真:筆者撮影)

移住とキャリアチェンジという人生の転機をプラスに転嫁させた木村さんだが、その秘訣は一体何だったのだろうか。

ひとつは、「住めば都」という受け身ではなく、「住むからには都にしよう」と主体的に岩手を楽しむマインドを設定したことだ。

「岩手では皆さん『寒い寒い』と言いますが、僕はあまり言わないようにしています。『寒い』ではなく『鍋が美味しい』と思えば、感じ方も変わってくる。

『ここを自分にとっての都にしよう』と決めれば、どんなことも楽しめます。コストコがなければ、コストコみたいな物が買える店を見つけてラッキーと思えばいい。ネガティブなことばかり考えると損が生まれるけれど、ポジティブな気持ちでいれば得が生まれる。それがモットーです」

移住当初、小学生の娘が転校先になじめるかが気がかりだった木村さんだが、登校初日から友達を連れて帰宅し、心配は杞憂に終わったという。岩手で暮らし始めてから家族の時間が増え、料理好きな妻はブログで日々の食卓を発信し始めた。子どもたちも「野菜が美味しい」と喜んで食べるようになった。

今では、岩手県民以上に岩手愛が強くなり、「ネットで岩手が悪く言われていると無性に腹が立つ」と笑う。永住を考えており、夫婦の間では一戸建てを購入してDIYでリフォームしようとめぼしい物件をチェック中。岩手山を眺め、野菜を育てながら暮らすライフスタイルに思いを巡らせているという。

キャリア形成の観点から考える成功の訳

木村さんのここまでを振り返ってみると、2度のブレイクを果たせたのは、単なる運の良さでなく、チャンスを自分のものにするマインドセットがあったからだと考えられる。

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