芸人・天津木村が岩手で広げた"新境地"の充実感 「覚悟を決めて一歩踏み出せば、人生何とかなる」

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オファーを受けた岩手朝日テレビの情報番組『GO!GO!いわて』の仕事は、勝手知ったるお笑いとは違う未経験のMC。

心に留めていたのは、自身をMCに抜擢した岩手朝日テレビの役員・畠山大さんの「番組を観ている人が主役だよ」という言葉。そして、タレントのヒロミさんから言われた「接する人に愛を持て」という言葉だった。

もともと「気が利くタイプ」と自認していた木村さんの行動に何度もダメ出しをし、「もっと愛を持って人と接し、本当に相手に喜んでもらえる行動をしろ」とたたきこんでくれたのがヒロミさんだったのだ。

「自分がどう映るか、どう見られるかではなく、見た人に喜んでもらうということを一番に考えるようになりました。お笑いの時とはベクトルが真逆になりましたね」

恩人たちからの助言を素直に受け入れ、自分視点から視聴者視点にスイッチを切り替えた柔軟性が、転機を生かす重要なポイントになった。

祭りで神輿をかつぐ木村さん
地元住民らとともに歴史ある祭りで神輿を担いだ(写真:岩手朝日テレビ)

「視聴者本意=岩手県民本意」の姿勢が表れているのが、『GO!GO!いわて』のロケで参加した岩手県沿岸部の山田祭り。歴史ある神事に敬意を払い、朝7時から12時間近くにわたり地域住民とともに白装束で神輿を担ぎ、沿道の住民から呼ばれて軒先で料理が振る舞われる場面も。

コーナーの最後は夕闇の中、祭りの感動で言葉をつまらせる木村さんの姿で締めくくられた。数十分の放送のために、丸一日、体当たりで祭りに臨んだ姿は岩手で話題になった。

「住んでくれてありがとう」の声

番組だけでなく、自身のブログにスキーや温泉、食など、岩手の暮らしを家族一緒に楽しむ様子を綴っているのも好感度アップの理由だろう。視聴者からの「番組で元気をもらっています」というはがきや、街の人からの「住んでくれてありがとう」という声、ブログへのコメントなど、エロ詩吟時代には到底考えられなかった好意的な反応がモチベーションになっているという。

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