「部下のいい部分」を見つけて伸ばす"質問のコツ" 自分に自信のない人の自己肯定感を上げる方法

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「今の自分を評価するとしたら、10段階でどのレベルだと思う?」

こんなふうに部下に問いかけてみてください。自己肯定感の低い人は、「2」とか「3」とか低いレベルを答えるかもしれませんね。でも、ここで自分をどのレベルに置くかはたいした問題ではありませんから、気にしないでください。

大切なのは、次の質問です。「もう1つ上のレベルの自分になるために、何ができると思う?」。

これは、先ほど下げに下げたハードルを、少し上に戻すための質問です。こう問うことで、もうちょっとだけ背伸びして、もうちょっとだけがんばってもらえるように、部下に発破をかけるのです。

現状でももちろん価値ある存在ですが、上司としては、さらに成長してもらわなければなりません。部下の成長をサポートするのが上司の仕事です。「いつまでも今のままでいいよ」とは言えませんよね。

しかし、単に「がんばれ」「期待している」と声をかけても、何をどうがんばればいいのか部下にはわかりません。何をどうすればよいか具体的にイメージしてもらう必要があります。そのための「数値化」なのです。

「自分の現状から、次のレベルに上がるためにできることは何か?」「レベルを『1』上げるために、必要なことは何か?」。現状を数値化することで、自らの成長のために取るべき行動や考え方がイメージしやすくなります。

部下の行動を促す「いい質問」

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人は誰でも、今のままで十分に価値ある存在です。

ただ上司としては、部下にさらなる成長を望まないわけにはいきません。そして成長するためには、今までと同じようなことだけやっていても期待できない。

そこからもう一歩、ちょっとがんばって背伸びしてもらうために、ひいてはさらに自己肯定感を高めていけるような行動につながっていくように、上司は「いい質問」を上手に利用して、部下の行動を促していく必要があります。

「がんばれ」「期待しているよ」という曖昧な言葉で部下に丸投げすることなく、部下自身が、今日から何にどう取り組めばいいのか具体的な行動に落とし込めるような手助けを心がけていきましょう。

林 英利 プロコーチ、BizMentor(R)代表メンター・エグゼクティブコーチ、 一般社団法人日本リレーショナルリーダーシップ協会(JRLA) 代表理事

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はやし ひでとし / Hidetoshi Hayashi

1972年、東京生まれ。大和ハウス工業、トヨタ自動車などを経て、2010年にプロコーチ、研修講師として独立。大手企業の経営者や管理職などを対象に、コーチングサポートやリーダーシップ研修を提供。2015年、年間3000名が受講する銀座コーチングスクールの代表に就任し、コーチング講座の開発のほか、プロコーチや講師の育成に尽力。2019年に「“一緒に働きたい”と言われるリーダーづくり」をミッションに掲げ、JRLAを設立。厳選されたビジネスメンター(BizMentor(R))と共に、管理職・ビジネスリーダー向けのメンタリングやコーチングサポートを提供するほか、1on1の立て直し・定着支援プログラム「1on1実践トレーニング(R)」を、組織改革を目指す企業などに提供している。著書に『一瞬で自分を変えるセルフコーチング』(三笠書房)がある。
国際コーチング連盟(ICF)認定プロフェッショナルコーチ(PCC)。

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