「採用面接のとき、どんな自己アピールをしたの?」「がんばったという経験はどんなこと?」。そんなことを具体的に聞いてみるのもいいでしょう。可能なら書き出してもらえば、目に見えて自分のいいところがわかります。
書き終えたところに、「私もそう思うよ。まだまだあるんじゃない?」と促せば、「あなたには、まだまだいいところがあるよ」というメッセージが伝わるでしょう。
そうして絞り出す手助けをすれば、きっと「いいところ」はたくさん見つかります。
誰だって、ここまで生きてきたなかで、何かを成し遂げているし、どこかでほめられているし、誰かに認められています。それが、自己肯定感にまでつなげられていないだけです。
「いいところ」に気づかせる質問
自己肯定感の低い人は、シンプルにいうなら、自分に自信のない人です。もっといえば、なかなか自走力を発揮できない人でもあります。
たとえば、会議であまり積極的に発言しなかったり、企画をなかなか提案しなかったりする人には、自己肯定感の低い人が多いと思います。それは彼らに意見や能力がないからではなく、とにかく自信がないから「自分なんかが」と尻込みしてしまって、積極的になれないのかもしれません。
しかし、これまでのことを振り返ってみれば、チームが間違った方向へ進もうとしていたときに、軌道修正のきっかけとなる意見を出してくれたとか、行き詰まっていたときに突破口となる情報を見つけてきてくれたとか、みんなの助けになったことがたくさんあるはず。
それなのに自己肯定感の低い人は、「たいしたことじゃない」「たまたま思いついただけ」「誰にだってできる」と、思い込んでしまっています。
そういうタイプの部下には、事実を思い出してもらいましょう。
「チームに貢献できたことを、小さなことでもいいから5つ挙げてみて」「この案件で達成したことを、どんなことでもいいから3つ挙げてみて」もし、「『小さなこと』ってどのくらい小さなことですか?」と聞かれたら、「ゴミを片づけたとか、備品を使いやすく整理したとか、とにかくなんでもいい」と、可能な限りハードルを低く低く設定します。
自己肯定感の低い人は、思い込みでハードルをぐんと上げてしまっていることがあるからです。
そこまで言われて「何もありません」と言う部下はいないと思います。どうしても思いつかない、とギブアップされてもあきらめないでください。
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