「部下がどんどん成長」できる上司の質問の"コツ" やる気を削がずにチャンスを与え、後押しする

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「今、この状況において、どんな質問をするのか?」

この自問こそまさに「いい質問」です。「これは今、問うべきことか?」という視点から導き出される質問も、また「いい質問」になりえます。

「想定外の答え」はチャンスと思え

部下から「想定外の答え」が返ってきたらチャンス。部下が質問に答えたとき、それにどう反応するか。 この点も、上司が手腕を問われるところです。

せっかく「いい質問」を投げかけても、返ってきた部下の答えや考えに対して適切に返すことができなければ、部下の成長の機会が失われるかもしれません。

くり返しになりますが、質問の答えは、常に「質問に答える側」が持っています。

ただ会話の主導権を握っているのは、「質問をする側」です。その会話がどのような方向へ向かっていくのか、ある程度コントロールできるのは上司であるあなたです。あなたが目的を見失ってしまうと、せっかくの「いい質問」も効果を発揮することができません。

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その一方で、間違ってほしくないのは、本当に純粋な意味でのコーチングとは、コーチがクライアントを誘導するものではないということ。

クライアント自身が考えたいことを深掘りするための、サポートをするのが本来の役割です。もしかしたら部下が、こちらの想定を大きく飛び越え、思いがけない方向から、想定外の返答をしてくるかもしれません。

そういうとき、「なんでそんな答えになるんだ?」「いやいや、そうじゃないだろう?」ではなく、「おお、そうきたか! どうしてそう考えたのか、聞かせてくれる?」と、好奇心を持って受け止めてみてください。

自分の意見に興味を持ってもらえたと感じれば、部下も話しやすくなります。話を聞けば、部下が思いがけず深いところまで考えていると知るかもしれないし、単なる思いつきであったとわかるかもしれません。

どちらでもいいのです。とにかく、想定外の返答がきたときは「チャンス」。なぜなら“想定外”は、“新しい何か”につながる可能性があるからです。

林 英利 プロコーチ、BizMentor(R)代表メンター・エグゼクティブコーチ、 一般社団法人日本リレーショナルリーダーシップ協会(JRLA) 代表理事

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はやし ひでとし / Hidetoshi Hayashi

1972年、東京生まれ。大和ハウス工業、トヨタ自動車などを経て、2010年にプロコーチ、研修講師として独立。大手企業の経営者や管理職などを対象に、コーチングサポートやリーダーシップ研修を提供。2015年、年間3000名が受講する銀座コーチングスクールの代表に就任し、コーチング講座の開発のほか、プロコーチや講師の育成に尽力。2019年に「“一緒に働きたい”と言われるリーダーづくり」をミッションに掲げ、JRLAを設立。厳選されたビジネスメンター(BizMentor(R))と共に、管理職・ビジネスリーダー向けのメンタリングやコーチングサポートを提供するほか、1on1の立て直し・定着支援プログラム「1on1実践トレーニング(R)」を、組織改革を目指す企業などに提供している。著書に『一瞬で自分を変えるセルフコーチング』(三笠書房)がある。
国際コーチング連盟(ICF)認定プロフェッショナルコーチ(PCC)。

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