「部下がどんどん成長」できる上司の質問の"コツ" やる気を削がずにチャンスを与え、後押しする
「いいえ、まったく思いません」「いいえ、できません!」などと、上司の意見に真っ向から反対するような返答ができる部下など、そうそういないでしょう。
こういうやり方で部下に意見を押しつけても、部下のモチベーションは上がらないし、いい結果にもつながりません。その結果、評価を下げるのは、部下を指導できなかった上司のあなたです。
問いかける側は、答える側が本心を隠してしまわないように配慮して、言葉を選ぶ必要があります。
「自分の気に入る答え」を求めない
相手に何かを問いかけるという点では、クイズやなぞなぞも同じですね。
ただ、これらがコーチングと大きく異なっているのは、クイズやなぞなぞでは「質問する側」が答えを持っているのに対し、コーチングでは「質問に答える側」が答えを持っているという点でしょう。
しかし、上司の中には、部下の答えを聞いているようでも、「私の頭の中にある考えの通りに答えたら、正解」と、勘違いしている人が少なからずいます。自分が思うような返事が返ってこないと、不機嫌になったり、叱ったり、バカにしたりするのです。
そういう上司の前では、部下は相手の顔色を窺いながら、「自分の考え」はいったん脇に置いて、「上司の気に入る答え」を必死に考えて答えるようになります。
部下の考えが引き出せないのであれば、それは「悪い質問」にほかなりません。つまり、どんな質問をするか以前に、普段からどのような姿勢で部下と向き合っているのか、どういった関係性を築いているのかが、とても重要になってくるのです。
2023年10月ごろから始まった、ガザ地区でのイスラエルとハマスの紛争について、テレビ番組であれこれ議論しているのを見ていたときのことです。
1人の専門家がこのような発言をしました。「われわれは『質問』を間違えてはいけないと思うんです。『イスラエルとハマス、どちらが悪いか』ではなく、『どうしたら一般市民の命を守れるか』という質問について議論しなくてはいけない」。なるほど、と私は思いました。
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