「ウーバー配達員になれて良かった」と僕が思う訳 「負け組ランドセル」と嘲笑う人に伝えたい"本音"

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マクドナルドや中華屋さん、お世話になっている自転車屋のオッちゃんから「ウーバー辞めてウチで働かないか」と誘われたときもテンション上がった。

ウーバーバイトで、心が再生されていった

20代の内に2回も解雇され、僕の社会人としてのプライドは、なんだかんだで傷ついていた。だけど生活を回すためにママチャリのペダルを回せば回すほど、少しずつだけど、失ったはずの「社会人としての自信」を取り戻せたような気がする。

新卒入社した会社で働いていた頃、僕は先輩上司から「こんなダメ社員見たことない」「早く辞めろ」と言われ続けていた。退職勧奨の一環で草むしりやトイレ掃除、上司から殴る蹴るなどの身体的暴力を振るわれたこともある。

中途入社した会社ではここまでのイジメはなかったが、解雇までの一連の経緯を含め、今でも僕は世にいう「社会人」という生き物があまり好きになれない。

だけど僕はウーバーの仕事のおかげで、社会に「いい人」がたくさんいることを知った。自分が誰かに必要とされる「喜び」を学んだ。環境が変われば「人生の流れ」が変わることに気が付いた。

そんなある日、こんな感情が胸の中に浮かんだ。「ウーバーイーツ配達員になれて良かった」。強がりじゃなく、本心からそう感じたのだ。

雪の日に走ったこともある(著者撮影) 
桜吹雪の日に走ったこともある(著者撮影) 

今日も僕はママチャリに乗り、神戸と芦屋の街を走っている。誰がなんと言おうと、ウーバーイーツは僕の心を救ってくれたし、誰かの役にも立っていると、信じながら。

【もっと読む】ウーバーの「遅延急増」現役配達員が語る"実情" 報酬減額で超高額案件が生まれる歪な背景とは では、昨今増加しているウーバーの遅延増加について、現役ウーバー配達員ライターの佐藤大輝氏が詳細に解説している。
佐藤 大輝 ライター・ウーバー配達員

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さとう・だいき / Daiki Sato

23歳と29歳の時、所属していた企業(美容業・物流業)から解雇を通達され、訴訟を提起。それぞれの会社と約2年間裁判で争った経験を持つライター。ブラック企業問題を解決したいという願いから、裁判後はライターに転身。労働問題のほか、「再雇用戦士」「子供部屋おじさん」「インド駐在員」など、働き方や生き方に関する取材記事を執筆。趣味は海外旅行で、37カ国へ渡航。

X:@do69951367

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