「ウーバー配達員になれて良かった」と僕が思う訳 「負け組ランドセル」と嘲笑う人に伝えたい"本音"

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その学生は謝るわけでもなく、ケラケラと笑いながら「お兄さん今ウーバー中? 大変だね。まあ、頑張れよ」と立ち去ってしまったのだ。 

きれい事抜きで言うと、ウーバー配達員のことを見下している人、差別的に見ている人は少なくないように思う。その証拠に、僕たちが背負っている四角いバッグ。これを「負け組ランドセル」と笑う人たちがネットには溢れている。

ネット上では「負け組ランドセル」と揶揄されるウーバー配達員。古いものを含め、現在自宅には負け組ランドセルが3つもある(著者撮影) 

ただし、これまたきれい事抜きで言うと、(暴行などの犯罪は絶対に許してはいけないという前提の上で)ウーバーに対する悪い評価が形成されたことは、「まあ、仕方ないかな……」と思う気持ちもある。

ぶっちゃけ、デリバリー配達員には清潔感がない人が多い(これは連載の中で詳しく触れたいけど、仕事の性質上、汚れたり、服がよれたりするのは、どうしても避けられないことなのだ)。

他にも、飲食店の前でたむろしたり、危険な運転をしたり、つまみぐいをしたり……(これらは配達員の人間性にもよるけど)。 

世間からの白い目をヒシヒシと感じるからだろうか。僕は昔も今も(たぶんこれからも)ウーバーの仕事をしていることに、正直なところ、羞恥心や劣等感を抱いている。

だけど、それでも僕はウーバー配達員を辞めない。辞めたくない。なぜならウーバーの仕事は、社会不適合者な僕が「社会の一員」になれる貴重な場所だからだ。

社会不適合者の僕がウーバーを始めたワケ

僕は23歳のときに美容の商社から、29歳のときに運送会社から「クビ」を宣告された。2社で共通する解雇理由は「協調性不足」だ。

僕は学生時代から「これは絶対に違う」と思ったとき、忖度なしで自分の意見を主張する癖がある。頑張って自分を殺した時期もあるのだけれど、ダメだった。

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