「ウーバー配達員になれて良かった」と僕が思う訳 「負け組ランドセル」と嘲笑う人に伝えたい"本音"
もちろんこれは見方を変えると「不安定」な働き方になるわけだが、年収や役職など、組織で働いているときに感じた「見えない壁」のストレスがウーバーにはない。好きな時間に働き、好きな時間に休むなど、時間の裁量権まで与えられている。
理不尽な上司や顧客に頭を下げる必要も、わずらわしい人間関係に悩まされる心配もない。一匹狼が似合う自分の「生き方」に、ウーバーの「働き方」は完全にマッチしていた。
「ありがとう」を肌で感じられる仕事だった
飲食店の店員さんや配送先のお客様など、現場と直接つながれる点もGoodだった。会社員の頃、僕は自分の仕事がどのように社会で役立っているのか、正直わからなかった。
もちろん、社会の役に立たない仕事だったわけじゃない。社内の人と接する仕事で、お客さんと直に向き合う職種ではなかったから、どうしても誰かの役に立てている実感が感じられなかったのだ。
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だけどウーバーでは、これを直接肌で感じることができる。サーティワンのホールケーキをお届けした際、幼稚園くらいの女の子から「お兄ちゃん、ありがとう!」とめちゃくちゃ感謝されたときは、心が温かくなった。
激坂の上にある一軒家に焼き鳥をお届けした際、年配の男性から「ありがとう。助かった。帰り道にこれで何か飲みなさい」と1000円札を渡されたときは、心の中で笑顔で泣いた。
ウーバー配達員として、過去に配送したお届け先に再度お伺いすることは稀だ。僕はこれまでに7000件以上の配達をこなしてきたが、同じお客様とはたぶん50人もお会いしてない。
だからこそと言うべきか、お客様からチップを渡されたり、お菓子や飲み物を差し入れされたり……相手からの純粋な善意が、ただただ嬉しい。
何度も何度も小さなハピネスが訪れるウーバーの仕事は、「まだ火曜日かよ」「会社行きたくねぇな」と嘆いていた頃の自分には想像できない、「隙あらば働きたいな」といった新しい感情を僕に教えてくれた。
環境が変われば人生が変わる
店員さんとの何気ないやり取りも、社会不適合者の僕にとっては大切な時間だ。
芦屋にある飲食店(無国籍バル)のオーナーから、「今日は暑いから大変だろ。ほら、これでも飲んでけ」とコカ・コーラを渡されたときは、人生の中で一番美味しいコーラだと思った。
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