少数の天才に頼らず「チームでの制作」を仕組み化している…中高生が密かに楽しむ「peep」マンガ創造の"舞台裏"

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『監禁区域レベルX』『小悪魔教師サイコ』などの人気マンガを生み出している「peep」。一体どんなサービスなのだろうか?(写真提供:taskey株式会社)
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『監禁区域レベルX』『小悪魔教師サイコ』『カップルゲーム』……LINEマンガやピッコマ等のアプリで人気を博すこれらのマンガには、いずれも「peep」という文言が見られる。作家名と思いきや、実はマンガ・小説のアプリだ。オリジナルのマンガ・小説を多数掲載している。
刺激的な作品を多く生み出し、「こっそり楽しむ」若者たちを生んでいるサービスの実態とは。サービス誕生の背景や、チームで作品を生み出す独自の方法論を伺った前編に続き、taskey株式会社の代表にして、『監禁区域レベルX』を手掛ける作家である大石ロミー氏に話を聞いた。

「クリエイター」兼「経営者」がもたらすメリット

──大石さんは小説家や原作者としてのクリエイター的な側面と、経営者の側面を両方持っておられて、これはなかなか珍しいケースですよね。両方の視点を持っているのが役立ったことはありますか?

大石:結構ありますね。まず、「長期的な勝利」と「短期的な勝利」を見極める目を獲得できたのが、クリエイター兼経営者のメリットかなと思います。

まず、「長期的な勝利」についてですが、そもそもエンタメ業界は「ヒット作が出るまでに10年はかかる」と言われるくらい厳しい世界で、「長期的に見て投資する価値があるか?」というのは、クリエイターとしての直感が一番役に立つんです。

実際、スクウェア・エニックスが発行している『月刊少年ガンガン』はジャンプやマガジンなどの他雑誌と比べると圧倒的に後発の雑誌で、10年くらいしてようやく『鋼の錬金術師』という名作を世に送り出しました。この作品によって『ガンガン』はもとより、スクウェア・エニックスの出版事業は大きく伸びたわけですが、後発がヒットを生むにはすごく時間がかかるんです。

大石ロミー氏(写真提供:taskey株式会社)
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