少数の天才に頼らず「チームでの制作」を仕組み化している…中高生が密かに楽しむ「peep」マンガ創造の"舞台裏"
──好きだからこそ、リスペクトがあるからこそなんですね。
大石:もちろん、この『週刊少年ジャンプ』というブランドはなかなか揺るぎません。ただ一方で、弊社はブランドがない状態からチーム制でリクープ率を丁寧に追って、100万部以上売れているマンガを生み出すところまで漕ぎ着けられているので、勝負する価値は十分にあると思います。
熊本での起業時代、初めて知った「スタートアップ」
──夢は大きいですね。野心家なのはもともとなのでしょうか?
大石:いえ、実は全然そんなこともなくて。僕はtaskeyを立ち上げる前から、大学在学中に起業していたんですけど、CAMPFIREの家入一真さんが開催されている勉強会に参加させていただいたんです。事前にしっかりと選考があり、選ばれた人だけが沖縄に参加できる形式だったんですが、そこにさまざまな業界の有名人、実力者たちが来ていて、鮮烈な体験をしました。
思えば、初めて「スタートアップ」という言葉を知ったのもそこでしたね。それが2013年頃の出来事で、それを経て僕は「熊本から東京に出てきてグローバルに勝負したい」と思うようになったんです。
グローバルで勝負するうえでどのような領域がいいか考えたときに、僕自身クリエイターとして小説を書いていたので、まずはエンタメで勝負したいと思い、最初の事業として小説投稿サイトをスタートしました。
小学生のときからノートに漫画を描いたりはしていて、中学校でも小説にハマって自分で書いて、ユーザー投稿型のサイトに投稿していたり、同級生にメルマガとして小説を送ってみたりしていたんです。
──熊本時代は、エンタメとはまったく関係ない事業だったんですか?
大石:まったく関係なかったです。最初はシステム開発受託とかの請負をやってました。僕は本当に熊本から出る気はなかったので。あの頃の自分に、今の自分の姿を伝えても信じられないでしょうね。
僕は東京のスタートアップの人たちと接したことで、今の仕事や野望につながりました。で、そういうコミュニティの空気感みたいなものを肌で感じていたから、今の「チームでの創作」に行き着いた感じもあります。
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