少数の天才に頼らず「チームでの制作」を仕組み化している…中高生が密かに楽しむ「peep」マンガ創造の"舞台裏"
──小説からスタートというとどうしても個人制作のイメージが強いですが、起業やコミュニティへの参加経験が、今の集団制作への意識につながっているんですね。
大石:それはありますね。経営者として、グローバルで勝てるような──それこそ講談社や集英社のような企業と肩を並べられるような存在になるためにはどうすればいいかと考えたときに、後発であればあるほど明確な戦略を持たなければいけません。分業体制はその戦略の一つです。
会社経営は最高のクリエイティブ
──お話を聞いていて、ミッションやポリシーにスタートアップ特有のアツさは保ちつつ、社内システムや制作プロセスは合理的というバランスがすごいなと感じました。
大石:僕も尊敬する経営者や編集者、プロデューサーはたくさんいますが、皆さん謙虚な一方で、大きな夢を持たれている印象があります。僕は単純にそれがかっこいいと思うし、少年漫画の主人公が取らないような行動は取りたくないですね。
弊社には僕の幼稚園からの幼馴染とか、高校や大学からの友達が執行役員に入っていたりもするので、「チーム友達」っぽい感じはありますね。
──taskeyという会社自体がドラマ的というか、作品に出てきそうな感じがありますね。一点気になるのが、経営者とクリエイターの二足のわらじを履いていて、「もうちょっとクリエイターとしての時間を割きたい!」と思われたことはないですか?
大石:あんまりないですね。結局、自分と弊社の目標が「21世紀、世界で最も読まれる物語を生み出す」という非常に野心的なものを掲げていますので、それを達成するために最適な選択をずっとしてきたつもりです。クリエイター兼経営者といえば、自分で事務所を作っているYouTuberさんとかは近いような気がしますが、自分で生み出せるコンテンツの数にはやはり限りがあります。
それよりは、制作チームを強化していき、自分がかかわったものを増やしていくほうが、僕としては一番「クリエイティブ」なんです。なので、10年以内には編集者・プロデューサーが日本で最も多い企業になりたいですね。もちろん人の数だけじゃなく、売り上げも100億、200億と積み重ねていきます。
──なるほど、大石さんの中では会社経営自体が最高の「クリエイティブ」なんですね。
大石:おっしゃる通りです。会社経営はめちゃくちゃクリエイティビティが高いですよ(笑)。
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