「脂肪肝」がとても怖ろしい病気である3つの理由 放置すると重大疾患を招き寄せる"身近な病気"

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脂肪肝を放っていると、糖尿病のほかにもたくさんの病気が招き寄せられてきます。

これまで挙げた以外に、リスクが高まるのは次のような疾患です。

動脈硬化、心筋梗塞、狭心症、脳梗塞、脳出血、くも膜下出血、認知症、高血圧、腎臓病、痛風、脂質異常症、肥満、歯周病……

動脈硬化をはじめ、血管、血液系の病気が多いのにお気づきではないでしょうか。

肝臓大復活
脂肪肝が引き金となり様々な病気を引き起こす(イラスト:『肝臓大復活』より)

脂肪肝になると、肝臓からあふれ出した中性脂肪が血液中へ流出し、血液をドロドロ状態にして動脈硬化のリスクを高めてしまうのです。よく知られるように、心臓の血管において動脈硬化が進めば、心筋梗塞や狭心症のリスクが高まり、脳の血管において動脈硬化が進めば、脳梗塞、脳出血、くも膜下出血のリスクが高まります。

また、血液がドロドロ状態になると、脳の細い血管の血行が阻害されて酸素や栄養が届きにくくなり、認知症の発症につながりやすくなることもわかってきました。さらに、近年の研究では、大腸がん、乳がん、胃がん、膵臓がんのリスクファクターにも脂肪肝の名が挙げられるようになっています。

脂肪肝さえ防いでおけば人生安泰

まさに「万病のもと」。中高年世代が悩まされる生活習慣病のほとんどは脂肪肝が「出発点」になると言っても過言ではありません。みなさん、脂肪肝が「多くの病気を招き寄せる怖ろしい病気」であることが、おわかりいただけたのではないでしょうか。

もっとも、これは発想を変えれば、「脂肪肝さえ防いでおけば、ほとんどの生活習慣病の重篤化を防ぐことが可能になる」と言っても過言ではありません。ですから、普段から脂肪肝にならないよう予防につとめ、もし脂肪肝の診断を受けたなら、決して甘く見たり放置したりせず、しっかり治療をする姿勢が必要なのです。

つまり、脂肪肝さえしっかり防いでおけば、少なくとも健康面においては、かなり人生安泰になるということ。きっと、これを徹底して守っているだけで、みなさんの人生の健康の度合いは大きく違ってくるのではないでしょうか。

栗原 毅 栗原クリニック東京・日本橋医院長

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くりはら たけし / Takeshi Kurihara

医学博士。北里大学医学部卒業。慶應義塾大学大学院特任教授、東京女子医科大学教授を歴任。2008年、メタボリックシンドロームや糖尿病などの生活習慣病の予防と治療を目的とした栗原クリニック東京・日本橋を開院。「血液サラサラ」の提唱者の1人でもある。主な著書・監修書に、『決定版!内臓脂肪を落とす名医のワザ』『ズボラでも中性脂肪・コレステロールは下げられる!』(ともに宝島社)、『栗原式 書いて下げる魔法の血圧手帳』(笠倉出版社)、『お茶のすごい健康長寿力 高血糖、高血圧、肥満、内臓脂肪から免疫力、認知症、不眠、イライラまで効く!』(主婦の友社)など多数
 

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