東大生があえて「ChatGPT」を課題で使う納得の訳 宿題で使うのはアリ?教育とAIの向き合い方

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例えば「第六次産業化は農家の経営の多角化を推進する」と書いてあったとして、「経営の多角化か、確かにそれはありそうだな。じゃあ、経営の多角化の具体的なパターンはなんだろう?実際の実例はどんなものがあるんだろう?」と考えていくのです。

そしてChatGPTに「第六次産業化による経営の多角化についての実例を調べたいのですが、どのサイトで調べればいいでしょうか?」というように聞いてもいいのです。宿題をする参考としてChatGPTを利用していくことで、よりクオリティの高い回答を作ることができるようになるというわけですね。

ChatGPTを使うことのデメリットは、「自分で考えなくなること」です。自分の頭で考えるのではなく、ChatGPTに考えてもらうことになるので、勉強にならないというのがマイナスポイントです。

逆にいえばChatGPTを「自分で考えるためのツール」として使うのであれば、このデメリットは解消されます。

「どう考えるのか」にChatGPTを使う

先ほどの東大生たちの使い方のように、頭の整理に使ったり、骨子の部分を作るために使ったり、「どう考えるべきか」の手段を調べたりするのに使うのであれば、ChatGPTを使っても十分勉強の役に立つといえるわけですね。

ChatGPTを頭ごなしに禁止するのではなく、どのようにしてChatGPTを使いこなすべきなのか、ということを指導するような教育が求められるようになってきているとの考えから、ChatGPTの使い方を指導する学校も増えているようです。

『ぼくたちはChatGPTをどう使うか 14歳から考えるAI時代の学び』(三笠書房)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

ChatGPTを使うことを前提にして授業や課題を設計する学校もあります。とある学校では、「ChatGPTをこういうふうに使って、読書感想文を作りなさい」という課題を出しているそうです。ChatGPTを使うことを推奨して、宿題を出しているわけですね。

実際、これからの世の中においてテクノロジーを使いこなすための勉強は重要です。

もちろんコピー&ペーストして終わりでは、自分の頭で考えていることになりませんから、勉強になりません。しかし、ChatGPTを使いながら自分でも考えてみるという姿勢があれば、むしろ使わないよりも何倍も勉強になるかもしれないのです。ぜひこの点を意識してみてください。

西岡 壱誠 現役東大生・ドラゴン桜2編集担当

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にしおか いっせい / Issei Nishioka

1996年生まれ。偏差値35から東大を目指すも、現役・一浪と、2年連続で不合格。崖っぷちの状況で開発した「独学術」で偏差値70、東大模試で全国4位になり、東大合格を果たす。

そのノウハウを全国の学生や学校の教師たちに伝えるため、2020年に株式会社カルペ・ディエムを設立。全国の高校で高校生に思考法・勉強法を教えているほか、教師には指導法のコンサルティングを行っている。また、YouTubeチャンネル「スマホ学園」を運営、約1万人の登録者に勉強の楽しさを伝えている。

著書『東大読書』『東大作文』『東大思考』『東大独学』(いずれも東洋経済新報社)はシリーズ累計40万部のベストセラーになった。

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