
1年前に比べて何が変わったのか
今年の入試シーズンには、ChatGPTが東大入試に合格できる水準になったことが話題になった。AI導入コンサルティング企業のLifePromptによると、ChatGPTに2025年度大学入学共通テストを解かせたところ、正答率は91.3%となり、昨年の66.9%から大きく向上した。例年の共通試験のボーダーを参考にすると、これは東大合格レベルだという。
全科目で前年度より得点が上昇したが、国語と数学の点数の伸びがとくに大きかった。数学1Aでは、2024年度の正答率35%から80%へと急上昇した。
2024年5月5日付の日本経済新聞の記事(「数学が1点では…ChatGPT、英語8割超も『東大不合格』」)では、予備校やLifePromptと協力して、東大の入試問題をChatGPTに解かせた。
英語は120満点で106点と高得点、なかでも英作文や英訳問は満点、リスニングもほぼ満点だった。しかし、数学はわずか1点だった。ChatGPTの数学的推論能力は極めて低かったのである。
したがって、この1年間で急速に進歩したのは数学的推論能力ということになる。オープンAIの「o1」など、「推論モデル」と呼ばれるAIモデルが従来とは異なるアプローチを行ったため、能力が急速に高まったのだ。
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