アメリカの数学オリンピックの予選「AIME」の問題の正答率を見ると、2024年5月にオープンAIの「GPT-4o」は正答率が9.3%でしかなかった。ところが、同年9月の「o1 preview」では56.7%となり、12月に正式リリースされたo1で83.3%、2025年1月のo3-miniは87.3%と大幅に向上した(2025年3月10日付日経新聞「東大入試数学、AIが合格水準」)。
ChatGPTチューターへの大移動が起きる
ChatGPTが東大に入学できる能力を持つということは、東大受験のためのチューターの役割を果たせるようになったことを意味する。
ChatGPTのチューターは、人間のチューターに比べて、さまざまな点で優れている。まず、利用者が理解できない点について、理解できるまでいくらでも質問できる。人間の教師の場合、家庭教師ならかなりの質問ができるが、クラスでの集団教育では限度がある。
また、望む時間にいつでも指導を受けられる。日曜日でも真夜中でもいい。そして、人間の教師に比べて、利用コストがずっと安い。だから、予備校や塾の人間の教師より、ずっと便利なはずだ。
もちろん、人間の教師には生徒の感情を理解し、モチベーションを高める能力がある。だから、ChatGPTがこれを完全に置き換えることは困難だ。学校教育には集団生活の訓練などの目的があるので、ChatGPTに全面的に切り替えることはできない。
しかし、予備校や塾は試験に合格するために成績を良くすることが目的だ。したがって、予備校からChatGPTチューターへの大規模な移動が起きるだろう。そして、所得が低い家庭の子も所得による制約から解放され、勉強ができるようになることが期待される(PCやインターネット接続など、最低限の投資は必要だが……)。
ここまで「ChatGPTのチューター」という抽象的な言葉を用いてきたが、これは具体的にはどのような形をとるだろうか。
第1は、ChatGPTをそのままの形でチューターとして用いることだ。これだけでも、かなりの利用が可能だろう。
ただし、個人で直接ChatGPTを相手にするのは若干面倒なところがある。大学入試や大学入試共通テストの問題文を解いてもらう場合、問題文には図などがあるので、これを送らなければならない。これはChatGPT4であれば不可能ではないが、かなり面倒だ。
したがって、そうした作業もやってくれるサービスを利用するほうが便利かもしれない。そして、そうしたサービスはすでに存在する。AwakApp Inc.によって開発された「AIチューター」などがそれだ。今後さらに類似のサービスが出てくるだろう。
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