「つまらないアイデア」ばかり出す人に欠けた視点 そもそも「よいアイデア」の基準を持っていますか?

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アイデアを大量に出すこと、確率を上げること、この2つに目が向けられているために、見過ごされている点がある。それが前述の「基準」である。どのような基準を満たせばグッドアイデアなのか、この基準を定めることから始めなければならない。

アイデアの基準

基準の理想は、前述したダーツの的である。ビジネスのように、複雑で自由度が大きいものを扱うのであればなおさらだ。ビジネスの中核を担うアイデアを発想するためには、シンプルで本質的な基準が必要である。

あなたは業種や相手(B to B/B to Cなど)によって、基準は大きく異なると思っているかもしれない。しかし、原則は実は同じだ。ビジネスの中核を担うアイデアの基準は、〈独自性〉と〈市場性〉の両立である。

〈独自性〉とは、競合との差異の大きさである。あらゆるものがコモディティ化していく今日において、〈独自性〉なくしてビジネスで勝つことはできない。一方の〈市場性〉とは、顧客の数である。厳密には、〈市場性〉は顧客数×単価となるが、本書では〈市場性〉=顧客数として進め、詳細は後述する。そして、〈独自性〉と〈市場性〉の「両立」こそが事業の中核となるアイデアの核心である。裏を返せば〈独自性〉と〈市場性〉が通常は相反することを意味する。

この関係は図にすると分かりやすい。縦軸に〈独自性〉、横軸に〈市場性〉をとると、アイデアはこの曲線のどこかに位置することになる。傾向としては左上か右下のどちらかに分かれることが多い。左上は〈独自性〉が高いが〈市場性〉が小さい、つまりその独自性が一部の人にだけ支持される「ニッチ」なアイデアが該当する。それに対して右下は〈独自性〉が低いがゆえに多くの人に支持される「マス」なアイデアが該当する。

(画像:『すごいアイデア』より抜粋)

ファッションブランドを例に挙げると、左上にはパリコレクションで新作を発表するようなファッションブランドが該当する。ここでは「パリコレ」としよう。パリコレの服はトレンドの先端をいく斬新なデザインであり、万人受けを目指したものではない。

つまり、〈独自性〉が高く〈市場性〉は小さい。右下にくるのは、量販店で売られているような衣料品である。トレンドに左右されないベーシックなデザインを売りにしているため、多くの人に受け入れられる。つまり〈独自性〉が低く〈市場性〉が大きい。このような傾向は、あらゆるテーマで当てはまる。

(画像:『すごいアイデア』より抜粋)
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