「つまらないアイデア」ばかり出す人に欠けた視点 そもそも「よいアイデア」の基準を持っていますか?

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このような傾向に対して、右上を狙うのが「両立」である。

通常は左上か右下のどちらかの選択が迫られる中で、右上のポジションをとることができれば、競合に対して競争優位を築くことができる。この右上には、イノベーションに成功したあらゆる事業が当てはまる。GAFAと呼ばれるグーグル、Amazon、フェイスブック、アップルのような、ITプラットフォーマーはイメージしやすいのではないだろうか。

アイデアの手順

〈独自性〉と〈市場性〉の両立に対して、どのようにアプローチしていくべきか。結論から述べると、以下の3ステップで事業の中核となるアイデアを手に入れることができる。

① 発想する:〈独自性〉の創出
② 定める :〈市場性〉の要件化
③ 見極める:要件を満たす〈独自性〉の選択

この3ステップは、先の〈独自性〉と〈市場性〉の関係を示した次頁の図「アイデアの手順」で説明することができる。

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「①発想する」は、〈市場性〉のことは横に置き、図の左上の領域の〈独自性〉から考える。

「②定める」は、左上から右上にシフトさせるために必要な〈市場性〉の要件を洗い出す。

「③見極める」は、手元にある〈独自性〉が〈市場性〉の要件を満たすかどうかを検証する。満たしていればその〈独自性〉を選択、満たしていなければまた「①発想する」に戻る。

〈独自性〉と〈市場性〉の両立を目指す上で回避すべき点がある。それは図の右下の〈市場性〉からアイデアを考えるアプローチだ。典型例にマーケットリサーチやユーザヒアリングがあるが、これらには致命的な欠点がある。それはあなたが既存の「正しい」情報で満たされてしまうことだ。

今井 裕平 ビジネスデザイナー

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いまい ゆうへい / Yuhei Imai

神戸大学大学院を修了後、安井建築設計事務所、日本IBM、電通コンサルティングを経て、2016年に株式会社kenma創業。企業の見過ごされた強みを発掘して、その会社の看板商品・サービスを創り出す「フラッグシップデザイン」を提唱 。メモがわりに使えるリストバンド「wemo」は100万本を超える大ヒットを記録。その他、コクヨ初の賃貸住宅事業「THE CAMPUS FLATS Togoshi」、吸水スポンジタオル「STTA」、伊勢茶ボトルレンタルサービス「朝ボトル」など、数字で成果を示すことにこだわり、これまでにないユニークな商品・サービスを仕掛ける。グッドデザイン賞をはじめ、IAUD国際デザイン賞、フェーズフリーアワードなど社会課題解決を対象としたデザイン賞を多数受賞。東京都「デザイン経営スクール」総合監修・講師。
2024年「ヒット商品を次々と生み出すデザイン会社」として、テレビ東京『カンブリア宮殿』に出演(ビジネスデザイナーとしては初出演)。2025年、初めての著書『すごいアイデア』(祥伝社)を出版。

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