中国国民党「ドラマが気に入らない」で予算カット? 歴史に忠実な内容でも、制作側の反中姿勢が許せない

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2025年1月21日、台湾の立法院(国会)で2025年度中央政府予算案の審議で、多数派の野党側に対して抗議する与党・民進党議員(写真・AFP=時事)

ネットフリックスが1991年のドラマ『東京ラブストーリー』を2025年1月13日に世界公開し、台湾でも実際に見ていた現在の中高年がかつての青春を取り戻しているかのように視聴している。

ドラマが地上波テレビで放送された当時、筆者は台湾にいたが、こちらが日本人とわかるとすぐに小田和正さんが歌う主題歌の『ラブ・ストーリーは突然に』を翻訳してくれとよく頼まれていた。日本語の意味はわからなくても音だけで歌詞を覚えてしまい、30年たった今でもカラオケで歌う人は少なくない。

『東京ラブストーリー』再放映に熱狂

現在では中高年になったこの世代は、かつて日本統治時代を経験した「元日本人」から見れば孫の代に当たる。子どものころから生の日本語や日本文化に接して生まれ育ったわけではない。

しかも1949年から1987年まで続いた戒厳令下での反共産党と中国語による中国主体の教育で日本的な要素はいっさい消され、一見すると日本とは疎遠の世代と思われがちだ。

しかし、『東京ラブストーリー』に代表される日本のドラマや漫画・アニメなどのソフトコンテンツを青春時代に目いっぱい浴びたことで、祖父母と変わらないほどの日本への愛着や親しみが生まれていった。

2020年に亡くなった志村けんさんの訃報をたいへん悼んだのはこの世代であり、台湾が依然として親日感情に満ちているのはこういった事情がある。

ちなみに最初に『東京ラブストーリー』が放送された時期には、浅野温子さんと武田鉄矢さん主演の『101回目のプロポーズ』も公開され、チャゲ&飛鳥さんが歌う『SAY YES』も日本では一世を風靡した。しかし、台湾では『ラブストーリーは突然に』の人気には及ばなかったと感じる。

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