名門・太平洋ゴルフの民事再生、実質的な親会社不在の“身売り”に会員からは反発の声
「説明会では、会社側からは昨年8月までは法的手続きを伴わない前提での身売り先探しをし、らちが明かないので8月以降、法的手続き前提でのスポンサー探しを始めた、という説明があった。とすれば、8月以降、民事再生申し立てまでの間、法的手続きをとる意思を持ちながら名義変更に応じ続けたことになる。最近入会した会員にしてみれば、これは許しがたい行為」という声も会員からは聞かれる。
また、負債総額1270億円のうち、預託金債務は685億円と言われるが、この預託金債務の債権者である会員1万3000人以外に、無額面の会員権を持ち、債権者ですらない会員が6500人いる。この6500人は、債権者ではないとして31日の説明会に呼ばれることもなく、今後、民事再生手続きで債権者として何かを主張する権利も一切ない。
上場会社ではない太平洋クラブに、株主や債権者の情報を会員に対して開示する義務は法的にはなく、勝手に「東急と三井住友が付いている」と信じた会員に救いはない。それだけに、三井住友の逃げ足の速さ、鮮やかさが際立って見えてしまうのは記者のうがちすぎだろうか。
(金融ジャーナリスト・伊藤 歩 =東洋経済オンライン)
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