名門・太平洋ゴルフの民事再生、実質的な親会社不在の“身売り”に会員からは反発の声

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債権者ですらない6500人の無額面会員

次の動きは昨年3月起きた。東急から送り込まれていた長谷川会長と、半田社長がそろって退任、後任社長として就任したのはインテグリティサポートなる会社の代表を務める桐明幸弘氏。デロイト・トーマツで旅館、ホテル、ゴルフ場、レジャー施設の企業再生支援チームを立ち上げ、後に独立してインテ社を設立した人物である。

一見して身売りを連想させる人事であるため、業界ではいよいよ太平洋の身売りは近い、という憶測が流れたものの、この時点でもなお三井住友銀との縁が完全に切れていることは明らかにならなかった。

「退会者が預託金の返還を会社側に請求すると、かつてはすんなり返してくれたものが、ここ5年ほどは返金までに時間がかかるようになっていたので、経営が苦しいのだろうということは認識していた。ただ、三井住友銀グループのコースだという意味での信用度は高く、会員権の取引は民事再生申し立て当日もちゃんと成立していた」(都内の会員権業者)という。だとすれば、とっくの昔に三井住友銀と出資関係も債権債務関係も切れていたのに、それが公表されていなかった、という事実は罪深い。

「1月30日に渋谷公会堂で開催された説明会では、いったい親会社はどこなんだ、という質問も出たが、親会社はないという答えだった。三井住友はもう関係ないし、東急も大和も39%しか持っていないから親会社じゃない、と言いたいのだろうが、それでは東急や三井住友というブランドを信じていた会員は浮かばれない」(預託金会員)といった声も。

さらに、太平洋クラブはかつては額面が入った会員権を発行していたが、今は無額面の会員権のみ。プレー権だけの会員権と思えばいい。無額面ということは、預託金返還請求権がなく、市場から会員権を買って入会時に支払う名義変更料は取られっぱなしになる。

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