「渋谷→新大久保」若者の街が変遷した本質理由 街全体で「韓国のテーマパーク」への変貌を遂げた

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実際、この新大久保の駅前を歩いているとよくわかる。

コリアンタウンが広がる新大久保駅の東側で目に入ってくるのは、目まぐるしいほどのハングルや、K-popアイドルの写真。また、チーズハットグをはじめとする、その時に流行している韓国グルメの店もずらりと軒を連ねる。

新大久保
新大久保の路地裏。夜に行けば、そこはもう異国の雰囲気だ(筆者撮影)

一本入った路地を歩けば、まるで韓国に来たかのような風景が広がっているし、そこで働く店員さんの多くも韓国の若い男性だ。

私がある人にインタビューしたとき、新大久保に行く人々は、「まるで韓国のよう」な街並みが楽しくて、そこに行くのだと言っていた。日本にあって韓国のような場所、ニセコ的なテーマパークがそこに現れている。

こんな体験ができるからか、休日の新大久保駅はものすごい人だかりである。この事態には、さすがに都や区も驚きを隠せないらしく、2024年度には、この地域でははじめての交通量調査も行われる予定である。

新大久保
休日になれば、新大久保の料理店はどこも人でいっぱいだ(筆者撮影)

こうした状況は、データにも顕著に表れている。2000年から2021年の山手線の平均乗車人数を見ると、2011年と2018年に急激に増加している。この増加率は、駅としては異例のことで、その要因の一つに、韓流ブームがあると見られている。

新大久保はいかにして「韓流の街」となったのか

新大久保はどのようにして現在の「韓流の街」となったのか。

自身も新大久保に住み、『ルポ新大久保』を上梓した室橋裕和は、もともとこの辺りは、韓国人ホステスが住む街だったと書く。

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