銀座に爆誕「余白だらけのビル」一体何が凄いのか 近年の再開発のあり方にデカい一石を投じている
少しずつ増えている「余白」のある開発
その中でもソニーパークが試みたような試みは、長期的に見て多くの人の利益になる可能性がある点で特筆すべき試みだと思う。
また、単に経済活動を否定しているわけではなく、経済活動を成長させつつ、しかし現在の開発とは異なるものを目指している点で面白いと思うのだ。
実は、こうした<迂回する経済>的な都市開発は、少しずつではあるが増えている。例えば昨年4月に誕生した「ハラカド」。ここの4階は「ハラッパ」という場所になっておりテナントはほとんどない。ここも原宿の交差点に面した一等地だが、かなり攻めた作りになっている。
あるいは同じく4月に誕生したSHIBUYA TSUTAYA。それまでのTSUTAYAがDVDやCDをぎっしり敷き詰めた空間だったのに対し、ここは館内全体が「レンタルスペース」のようになっていて、時期に応じたポップアップストアなどが行われている。
これらも、広告収入やスペースの使用料などによってビルの運営を行っていくというが、お金の流れで見れば「<迂回する経済>モデル」の施設だろう。
以前、私はこの2つの施設の特徴をまとめて「余白」を生み出す施設が増えている、と形容したことがある。実際、これらのスペースはテナントがぎっしりあったりモノがぎっしりあるのではなく、どこか広々とした「スペース」がある印象を受ける。
「余白」は本来、商業施設などでは好まれない。お金にならないからだ。しかし、商業施設であってもこうした「余白」を作ることにより、長期的に見て資本を回していくのだ。
先ほども書いた通り、ソニーパークの一つのキーワードも「余白」である。まさに「ハラカド」や「SHIBUYA TSUTAYA」と同じ方向を向いているのだ(超一等地の原宿・渋谷に現れた「何もない空間」のビルに若者殺到…店舗数が少なくても儲かる真新しい仕組み)。
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