銀座に爆誕「余白だらけのビル」一体何が凄いのか 近年の再開発のあり方にデカい一石を投じている

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ソニーパークについてまとめると、いろいろな点からこれまでの銀座にはなかった施設を盛り込んだ場所だな、というのがその印象だ。

ブランドショップが立ち並んでいるわけでもなく、特段高い建物でもなく、なんなら公園のようにベンチがあってそこで休憩したり、上から銀座を見下ろすという体験ができる。

全体として「余白」が生きている施設で、開放感がある。挑戦的なコンセプトが面白いし、銀座の街そのものを捉え直している感じがする。

長期的なお金の流れでビルの収入をまかなう

しかし、気になるのは収入面。

高いビルであるわけでもなく、テナントがたくさん入っているわけでもない。いくらここがソニーの自社ビルだとはいえ、維持費やその他諸々踏まえたらどうやって収入を支えていくのか。

各種報道によれば、その収入はそこで行われるプログラムの実施を通じて、フロアの利用料や企画料、壁面への広告料などでまかなうという。その多くはソニーグループの各社から得ることになる。

例えば、ソニーグループに所属するアーティストがここでコラボ展示を行うことによって、ソニービルに対して利用料を払う……といったことだろう。そこに訪れた各ファンが、後にそのアーティストに対してライブのチケットやCD・DVDを買うことで長期的にそのお金を回収する、という仕組みになっている。

また、展示は無料で入ることができるから、そこをふらりと訪れた人が、そのアーティストの未来のファンになるかもしれない。コンテンツで稼ぐ会社に変化した、ソニーだからこそ生むことができたビルといえそうだ。

Ginza Sony Park ソニーパーク
1階壁面には展示予定のアーティストが。彼らのファンが長期的にこのビルの収入を支えていくことになる(筆者撮影)

展示を有料にしたり、テナントを入れて物販をすることもできるはず。あるいは建物全体を有料にすることもできるだろう。そのほうが短期的に利益を稼ぐことはできるだろう。

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