日経平均、現実味を帯びる1万7000円割れ

市場には株価浮揚の材料が見つからない

このように、高いボラティリティを伴った下落局面が到来すると、機械的な売りが出るのが現在のグローバルマーケットの性質だ。現在の市場構造を理解していないと、割安な株を購入したつもりでも、一時的に大幅な含み損を被ることになりかねない。

日経平均1万6000円割れの懸念も

こうした、ただでさえ不透明な市場環境の中に、大きな問題が発覚した。フォルクスワーゲンによる排ガス試験の不正問題である。調査の対象は米国から欧州などにも広がっている。世界経済のけん引役である自動車業界への不信感が高まる懸念がある。

同社のマルティン・ヴィンターコーン最高経営責任者(CEO)は辞意を表明したが、自動車業界への不信感が尾を引くようだと、経済面だけでなく、世界の株式市場への悪影響は不可避であろう。

また円高リスクにも引き続き注意が必要である。今、米国が望んでいるのはドル高ではなく、どちらかといえばドル安である。日本サイドにドル円相場の方向性に関する「実権」はないため、いつ円高に進んでもおかしくない。

もちろん、現状では円高は日本株にとっては上値抑制要因になる。ドル円の上昇は「平均3年」とされ、2012年に始まった今回の円安局面はすでに3年が経とうとしている。

外国人投資家は今回の下落局面で日本株を大きく売り越したが、いったん離れた市場にすぐに戻ってくることはないだろう。そのため、日本株は半年程度、安値圏での低迷を強いられることになるのではないか。

10月に日銀が追加緩和を実施し、これが株価反転につながるとの期待もあるが、果たしてどうだろうか。筆者は、2014年10月31日の「黒田バズーカ第2弾」前日の日経平均高値1万5701円と、大幅緩和が実施された10月31日の始値1万5817円に開いているマドが気になって仕方がない。つまり、1万7000円割れどころか、黒田バズーカ第2弾直前の水準まで相場が逆戻りするのではないかという懸念を持っている。この筆者の懸念が、杞憂に終わればいいのだが。

24日以降、今後1週間の日経平均株価の予想レンジはかなり広くなるが、1万6500円~1万8000円としたい。

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