原油価格、「1バレル30ドル時代」が来る イランの制裁解除はシェール革命に匹敵

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米国の大学でイランとの「核合意」への支持を訴えるオバマ大統領。本格的な和解が実現すれば、原油価格は長期的に低位で安定する可能性が高い(写真:AP/アフロ)

これからの世界経済を俯瞰するとき、私がもっとも注目しているのは、アメリカが進めようとしているイランとの和解です。

なぜイランの経済制裁解除は衝撃的なのか

なぜアメリカとイランの和解が、世界経済を動かすほどの影響力を持つといえるのでしょうか。

その理由のひとつは、イランが中東屈指の大産油国でありながら、これまではアメリカが主導する経済制裁によって、世界の原油市場において主要なプレーヤーになりえなかったからです。もし2015年末~2016年前半にイランの経済制裁が解ければ、世界のエネルギー市場にはシェール革命以来の激震が走ることになるでしょう。

原油価格が1バレル100ドルを挟んで上下していた頃、私は拙書『シェール革命後の世界勢力図』(2013年6月刊行)において、「原油価格は今後、1バレル150ドルを超えることはない。3年後には原油価格は半値になっているだろう」と予測しました(「原油1バレル=150ドル時代は2度と来ない」「シェール革命に翻弄される国々」を参照)。

実際には、それから2年あまり経った現在、原油価格はすでに1度半値になり、現在は1バレル40ドル台で推移している状態ですが、アメリカとイランの和解が本当に進むのであれば、私はさらに一歩踏み込んで「原油価格は今後2度と、1バレル100ドルさえも超えることはなくなるだろう」と申し上げておきましょう。

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