御上先生問う「ディベート」日本で根付かない背景 日本人は議論が苦手?なかなか浸透しない理由

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今の日本の多くの先生は、ディベートの授業を受けてきた経験が少ないです。ほぼ皆無と言ってもいいでしょう。

そんな先生たちが『ディベートの授業をしよう』と思い立っても、難しさがあるのではないかと思います。

これはディベートに限った話ではありませんが、教育において『こういう教育がいいよね』と少し話題になっても、文科省が『こういう教育を広めていくべきだ』と発表したとしても、そうした教育を受けた経験がない現場の先生はそれに対応できず、一過性のブームに終わってしまうという現状があります。

経験が悪い意味で連鎖してしまうわけです。そうした意味で、先生たちに求められるのは、『自分が受けた教育を断ち切る教育』かもしれませんね。

教育業界には流行り言葉が多い

――『一過性のブームに終わってしまう』という点について、もう少し詳しく教えてください。


御上先生 TBS 西岡壱誠
『御上先生』©︎TBS

教育業界において、『流行り言葉』というものはとても多いです。例えば、『非認知能力』『ウェルビーイング』『個別最適な学び』、最近では『自由進度学習』なども該当します。このように、流行している概念として取り沙汰される言葉はとても多いのです。

これらは、言葉としてブームになり、『うちの学校では〇〇学習を取り入れています』などと、多くの場所で使われるわけですが、その一方で、定着はしない。『流行り言葉』になって、やがては廃れていってしまいがちです。

――確かに、一過性のブームになる言葉は多い印象がありますね。文部科学省が2014年ごろから提唱した『アクティブラーニング』も同じかもしれません。

そう、『アクティブラーニング』も同様ですね。でも、そもそも、『非認知能力』も『アクティブラーニング』も、まったく新しい概念というわけではありません。

昔から『数値では測れない人間力の養成は大事』だと言われていて、それに新しい名称として『非認知能力』という言葉を被せただけで、新しい概念ではまったくないんです。

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