BMW新型「R1300GSアドベンチャー」王者の進化 ブランド初のオートマモードを採用した走り
1980年、BMWはそれまでのロードモデルに加えて「R80G/S」を発売。ビッグマシンながらオフロード性能を高めた「トラベルエンデューロ」という新しい価値観のマシンは、瞬く間に世界中のマーケットに浸透する。
BMWからGSシリーズが誕生したのは、「パリ・ダカールラリー」がスタートし、1979年に第1回大会が開催された時代だ。1981年にはユーベル・オリオール選手がBMWを駆り見事に優勝。1983年には同じくユーベル・オリオール選手が2度目の優勝を獲得。続く1984~1985年には、ガストン・ラヒエル選手がBMWで2連勝を達成し、各メーカーが凌ぎを削る世界一過酷なレース「パリ・ダカールラリー」での好成績は、マシンのタフネス性と絶対的な信頼性を勝ち取るには十分な出来事だった。
以降、エジプトの「ファラオラリー」や、メキシコの「バハ1000」といった世界屈指のラリーでもGSシリーズは勝者リストに名を残していく。オフロード性能が試されるアドベンチャーマシン時代の幕開けであり、GSシリーズの開発ステージは世界中の「道なき道」がスタートだった。

GSシリーズのローンチモデルから45年、幾度にもわたるモデルチェンジを重ね、常に時代のオピニオンリーダーとしてチャレンジしてきたBMW。今回のR1300GSアドベンチャーでは、すべてを刷新し、新時代のアドベンチャーモデルの提案とも言える仕上がりになっている。
R1300GSアドベンチャーの概要

まずR1300GSアドベンチャーの全体像を説明する。フェイスまわりからサイドビューにかけて存在感のある新しいデザインを採用し、車重は269kg(走行可能状態)とボリューム感満点だ。
エンジンの最高出力は145psと圧倒的で、どんなスーパーライダーが乗りこなすのか?と初対面で不安を覚えるほどだった。だが、ハンドルを握り、サイドスタンドをはずし、R1300GSアドベンチャーを引き起こした瞬間、その憂慮は不要だったと確信した。
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