BMW新型「R1300GSアドベンチャー」王者の進化 ブランド初のオートマモードを採用した走り

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むずかしいことを考えず、乗り手は加速時に左足でシフトアップだけを行えばシームレスな加速が得られ、減速時もチェンジペダルを踏み込み続ければ速度に応じたギアにシフトダウンしていく。その際にスロットル操作は不要だ。

マニュアルモードで従来との違いはクラッチ操作の有無のみ。ワインディングや悪路走行でギアをホールドしたり、意識的に早めにシフトアップしたり、エンジンブレーキを積極的に使ったり、慣れてしまえば今までと変わりない走りが楽しめる。

スイッチひとつでオートマにモード変更可能

バックミラーの付け根に“M”シフトモード/“D”シフトモードの切り替えスイッチがある
バックミラーの付け根に“M”シフトモード/“D”シフトモードの切り替えスイッチがある(写真:三木宏章)

左手のバックミラー取り付けホルダーの下にある“M”シフトモード/“D”シフトモードの切り替えスイッチを押すことで、いわゆるマニュアルの「“M”シフトモード」と、オートマの「“D”シフトモード」の変更が可能だ。左手親指で走行中も任意で切り替えられるプッシュスイッチは、冬場の厚手のグローブでも節度感のある扱いやすさだ。ただ、グリップからプッシュスイッチまでは多少距離があるので、筆者は左手を一旦はずしたほうが切り替えやすかった。デバイスが多く、スイッチのオンパレードとも言えるハンドルまわりだが、慣れてしまえば使いやすくなるだろう。

R1300GSアドベンチャーは、停車時でも走行時でもASA切り替えスイッチワンプッシュで、“M”シフトモードから“D”シフトモード(オートマティック)へ切り替え可能で、操作はいたって簡単。切り替えが完了するとダッシュボード右側に「D1」と表示される。走行時に切り替えれば、使用中のギア表示がされるので、迷うこともないだろう。

フロントのサスペンションやホイール、ブレーキまわり
フロントのサスペンションやホイール、ブレーキまわり(写真:三木宏章)

R1300GSアドベンチャーのクラッチは、アンチホッピング機能を備えた10枚プレートによる湿式多板シングルクラッチで、ほかのオートマチック車両で多く採用されるDCT(デュアルクラッチトランスミッション)ではない。

シングルクラッチは変速がとても早く、遅れも感じせないのでフィーリングは良好だ。変速速度を売りにしているDCTよりも早く感じるほどだ。R1300GSアドベンチャーに搭載されるASAユニットは、ライディングモード(エンジン出力キャラクター)とライダーのアクセラレーションによって入力される速度、ピッチングとバンク角、さらにヨーモーメントの動きを6軸IMU(慣性計測ユニット)で瞬時に演算し、適切にシームレスなシフトアップを実現している。

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