12月決算会社の「増額予備軍」が見えてきた 上半期「営業益進捗率」ランキング

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通期決算の下方修正を説明するリブセンスの村上太一社長(2014年8月撮影:今井康一)

上場企業全体の収益をめぐっても、最近「中国リスク」が意識されるようになった。同国株の下落や工作機械の同国向け受注の落ち込みを背景に、8月以降、日本企業の業績に対する不透明感が台頭している。

中国リスクの高まりは12月期決算会社の第2四半期累計業績には反映されていない。そうした点にも留意する必要がある。

株式投資の対象銘柄を選ぶ物差しに進捗率を活用する際には、当該企業の過去の数字もチェックしたい。というのも、会社によっては特定の時期に利益計上が集中するという「季節性」があるからだ。

季節性による利益の偏りには要注意

たとえば、ランキング1位のOATアグリオの場合、需要期に備えた国内農家への出荷が第1四半期(1~3月)に集中する収益構造。東洋経済では、会社側の営業利益計画9億円は保守的と見て10億円と予想しているが、下期は赤字となる公算だ。

上場企業が公表する業績予想には“クセ”もある。計画の下方修正による株価の「ネガティブサプライズ」を嫌って、保守的な計画を出すケースも少なくない。「最低限、達成を約束できる数字」などという、IR担当者の言葉も頻繁に耳にする。

進捗率を見る際は、まず過去の同時点の水準と比較する。さらにこれまでの業績見通しが堅めだったか、あるいは強気すぎたのかといった傾向もよく調べたうえで、進捗率が高いか低いかを判断するのが望ましい

26位以下を含む64社ランキングはこちらをご覧ください。

(週刊東洋経済2015年9月26日号「投資の視点」から転載)

松崎 泰弘 大正大学 教授

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まつざき やすひろ / Yasuhiro Matsuzaki

フリージャーナリスト。1962年、東京生まれ。日本短波放送(現ラジオNIKKEI)、北海道放送(HBC)を経て2000年、東洋経済新報社へ入社。東洋経済では編集局で金融マーケット、欧州経済(特にフランス)などの取材経験が長く、2013年10月からデジタルメディア局に異動し「会社四季報オンライン」担当。著書に『お金持ち入門』(共著、実業之日本社)。趣味はスポーツ。ラグビーには中学時代から20年にわたって没頭し、大学では体育会ラグビー部に在籍していた。2018年3月に退職し、同年4月より大正大学表現学部教授。

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