上場企業全体の収益をめぐっても、最近「中国リスク」が意識されるようになった。同国株の下落や工作機械の同国向け受注の落ち込みを背景に、8月以降、日本企業の業績に対する不透明感が台頭している。
中国リスクの高まりは12月期決算会社の第2四半期累計業績には反映されていない。そうした点にも留意する必要がある。
株式投資の対象銘柄を選ぶ物差しに進捗率を活用する際には、当該企業の過去の数字もチェックしたい。というのも、会社によっては特定の時期に利益計上が集中するという「季節性」があるからだ。
季節性による利益の偏りには要注意
たとえば、ランキング1位のOATアグリオの場合、需要期に備えた国内農家への出荷が第1四半期(1~3月)に集中する収益構造。東洋経済では、会社側の営業利益計画9億円は保守的と見て10億円と予想しているが、下期は赤字となる公算だ。
上場企業が公表する業績予想には“クセ”もある。計画の下方修正による株価の「ネガティブサプライズ」を嫌って、保守的な計画を出すケースも少なくない。「最低限、達成を約束できる数字」などという、IR担当者の言葉も頻繁に耳にする。
進捗率を見る際は、まず過去の同時点の水準と比較する。さらにこれまでの業績見通しが堅めだったか、あるいは強気すぎたのかといった傾向もよく調べたうえで、進捗率が高いか低いかを判断するのが望ましい
(週刊東洋経済2015年9月26日号「投資の視点」から転載)
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