中学受験に向いている子ほど将来が心配なワケ 親は「何をするか」より「何をしないか」に重点を

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おおた たしかにいまの中学受験は過熱気味で、当然「ひどいよね」って話になるのだけど、じゃあ高校受験だったらいいのかよっていったら、そっちもたいがいな状況なわけで。

宮本 中学入試の問題は本当に面白いです。

井本 中学入試の本当に難しい問題って、パターンに当てはめても解けません。だけど高校受験も大学受験も、「傾向と対策」で本当にできちゃうんです。

子どもが楽しんでできることを

おおた 中学受験をすることにはそういう意味があるとしたときに、「何かしら準備しておいたほうがいいんだよね?」というのが相談者の気持ちだと思うんですが、では親としては子どもをどうやって中学受験と出会わせていけばいいんでしょうかね。

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宮本 生きてるだけで勉強じゃないですか。小1から最難関校向けの中学受験塾に送り込んでそのレベルでずっといけば受かるかもしれないけど、負担が半端じゃない。

おおた 小1から最難関校向けの中学受験塾に通ってそのままスムーズにいって、万々歳の結果でしたってご家庭にまだ僕は一回も会ったことがないんです。

宮本 今年の卒業生が初めて小1クラスをつくった1期生でした。初日から6年間最後までいたのは2人。一人はさっきのめちゃめちゃできる子で、もう一人は完全に野人。勉強系の習い事はうちの教室だけ。あとは絵画・工作などいろいろやってて、中学受験するかどうかもわかりませんでした。小6の夏休みにいきなりSAPIX入ったら、「なんでそんなに算数できるの?」って。雙葉と筑波大附属に受かって。これもいい受験でしたね。夕飯は毎日家で食べられたって言ってました。

おおた 何かやっておくとうまくスタートダッシュは決まるかもしれませんが、そのまま気持ちよくいけるケースだけじゃなく、途中で追いつかれて焦っておかしくなるケースもありますから。乗り気じゃないのに無理にやらせても苦手意識を植え付けるだけですしね。図鑑を読むでも、将棋をするでも、宮本さんのパズルでもいいですけど、本人が楽しんでできることだけをやらせておけば、それがいちばんの準備じゃないでしょうか。

宮本 哲也(みやもと・てつや)宮本算数教室主宰。無試験先着順の入室にもかかわらず卒業生の約80%は首都圏トップ校に進学。カリキュラムも教室所在地も非公開。謎に包まれた算数教室としてMBS系「情熱大陸」など多くのテレビ番組に出演した。
井本 陽久(いもと・はるひさ)いもいも主宰。数学オリンピック上位入賞者を多数育てた元・栄光学園教師。東大に何十人も送り込む超進学校にいながら大学受験度外視のユニークな授業を展開。NHK「プロフェッショナル?仕事の流儀」でも、その教育哲学が特集された。
おおたとしまさ 教育ジャーナリスト

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Toshimasa Ota

「子どもが“パパ〜!”っていつでも抱きついてくれる期間なんてほんの数年。今、子どもと一緒にいられなかったら一生後悔する」と株式会社リクルートを脱サラ。育児・教育をテーマに執筆・講演活動を行う。著書は『名門校とは何か?』『ルポ 塾歴社会』など80冊以上。著書一覧はこちら

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