中学受験に向いている子ほど将来が心配なワケ 親は「何をするか」より「何をしないか」に重点を
宮本 もう通用しないです、そんなひと。小学校受験で勉強嫌いになりましたって子がうちに来ました。でも初日から順応してて、その子は勉強嫌いじゃないってわかりました。そこからずっと伸び続けました。だから、やらされるのが嫌なだけなんです。算数が生まれつき嫌いな子なんていません。
井本 宮本さんは「手取り足取りできるようにする」みたいなことはしないんだけど、受験でも結果を出しているという希有な存在ですよね。
宮本 私の授業時間の9割は沈黙です。子どもたちは自分で自分の頭を整えてます。いっさい構わない。好きなようにしていいから。そうすると、ぜんぜんできない子たちもつられて考えてるじゃないですか。算数に興味がない子もいるんですよ。でもここに来るとつられてやり始めて夢中になる。誰かがぜんぶ解けたら終わり。
![宮本算数教室の授業風景](https://tk.ismcdn.jp/mwimgs/3/e/570/img_3eac28cb26226c0f3905f94d173c628a985099.jpg)
おおた 静寂の中に精神の自由みたいなものがありますよね。授業を見学させてもらったとき、宮本さん、「マル」か「ボツ」しか言ってませんでした。本当に徹底的に無駄を省いて引き算されてる。
宮本 そうね。あれ以上そぎ落としようがないね。でもみんな晴れやかな顔して帰っていくでしょ。その結果、その子に合ったところに行ければいいんです。
中学受験をする意味とは
おおた 晴れやかな顔のまま入試本番までいって、受かったところに進めばいいと。私もそう思います。せっかくなので、中学受験する意味みたいなことにも触れておきたいんですけれど。
宮本 たいして賢いわけじゃないのに権威主義的に子どもを従わせようとする先生から逃れるには、中学受験をしたほうがいい。
おおた 私立中学にそういう先生がぜんぜんいないってわけじゃないし、公立中学がそんな先生だらけではないけれど。
宮本 内申点に煩わされなくていい。
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