「Suica」が今のままでは生き残れない理由 10年計画で汎用的なスマホ決済サービスを標榜
同年秋には新幹線eチケットと在来線特急のチケットレスサービスが一本化され、アプリ内で新幹線も在来線特急もシームレスに予約・決済が完結する。これまで別々に操作する必要があったサービスがようやく1つにまとまるわけだ。
2026年秋にはモバイルSuicaアプリが大規模な機能拡充を迎える。2万円超の買い物にも対応するコード決済機能と、友人や家族間でSuica残高を送受信できる機能などが追加される予定だ。
「Suica電子マネーは(店頭などで)数千円程度の決済シーンが多かったが、より高額な買い物にも対応する」とJR東日本は説明する。法令上の制約などを踏まえた上限は今後正式に定める方針だ。
Suicaが単なる交通系ICカードの域を超え、汎用的なスマホ決済サービスとして再定義されることになりそうだ。
2027年春には首都圏(長野含む)・仙台・新潟・盛岡・青森・秋田エリアがすべて統合され、1枚(あるいは1つのアプリ)のSuicaで大きな範囲を乗り継げるようになる。常磐線でいえば、上野〜仙台間を通しで利用しても分割が生じず、一貫してSuicaで行けるわけだ。
それ加えて、Suica未導入エリアや無人駅などでは、スマートフォンの画面提示だけで改札を通過できる「スマホ定期券」が始まる。GPSなど位置情報を活用し、改札機がない駅でも入出場記録を取る仕組みを検討中だ。地方や利用客数の少ない路線で磁気券やICカード機器を整備するよりも、はるかに低コストで済む。
サブスクリプション・プランも登場
2028年度には新「Suicaアプリ」でセンターサーバー管理型の鉄道チケットがスタートする。注目は月額3000円で自宅最寄駅の運賃が半額になるというサブスクリプション・プランだ。使い方や時間帯に応じて運賃を自動割引し、駅ナカの買い物やイベントとも連動した特典を提供する構想が盛り込まれている。
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