ホルムズ海峡を注視せよ! 日本経済に大きな影響、原油より天然ガスが危ない

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天然ガス価格への影響が大きい?

ホルムズ海峡封鎖による影響として、LNG(液化天然ガス)への影響も大きい。LNGは、カタール、UAE(アラブ首長国連邦)の2国で世界のLNG貿易の30%弱を担っている。

特に日本は、電力各社がもともとCO2の排出が少ないLNGへの依存を高めてきたが、原発停止によって、さらにLNGの利用を増大させている。LNG価格の高騰は電気料金値上がりにもつながり、日本経済に与える影響が大きい。

日本はLNG輸入の2割をカタールやUAEに依存している(図2)。中部電力に至っては、LNGの調達先に占めるカタールの割合が7割まで増加している。LNGは長期契約で価格は安定しているが、短期取引市場では、ホルムズ海峡が封鎖されれば代替先を見つけるのは難しい。LNGには備蓄制度がないのも懸念材料だ。



 ただし、仮にイランがホルムズ海峡を封鎖する事態となっても、米軍等が介入し、イランが国際的に孤立する結果、封鎖は短期で終結する可能性が高い。そうなれば、石油輸送が再開され、原油価格は沈静化に向かうだろう。

そのように考えると、イランとしては、ホルムズ海峡封鎖をにおわせることにより原油相場を維持させつつ、ウラン濃縮活動に関する交渉における立場を守るべく、瀬戸際外交を展開しているのかもしれない。

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