村上春樹も住んだ男子寮「和敬塾」の濃密な日常 令和でも健在「同じ釜の飯を食う」濃い人間関係

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西寮と北寮
西寮と北寮。建て替えられた西寮と北寮の間には非常時用の連絡通路があるが、普段は独立した建物だ(写真:梅谷秀司撮影)
西寮入口
和敬塾の建物の中では最も新しい西寮の入り口(写真:梅谷秀司撮影)

村上春樹さんが学生時代住んでいた西寮

各寮にどのような特徴や違いがあるのか。佐々木さんに案内してもらった。まずは西寮。西寮には世界的な人気作家である村上春樹さんが早稲田大の学生時代、短期間ながら住んでいた。村上さんの代表的な小説『ノルウェイの森』には学生寮の記述や描写がよく出てくるが、この学生寮のモデルとされるのが和敬塾である。

小説では下級生用の2人部屋が出てくるが、今2人部屋はなく、1人ずつの個室になっている。

西寮の部屋
かつては2人部屋があったが、現在はすべて1人部屋になっている(写真:梅谷秀司撮影)
西寮廊下
たくさんのスニーカーを部屋の玄関前に並べる学生もいる(写真:梅谷秀司撮影)

各部屋の扉の前にはスニーカーがずらっと並んでいたり、自己紹介文をドアに貼った部屋があったりと個性が表れている。法に触れるなどの問題がない限り、学生の考えや判断を尊重しているという。西寮では日本人と留学生が一緒になってライブや山手線1周ハイクなどを開くなど、音楽や文化系のイベントが頻繁に開かれている。イベント好きな学生は西寮を希望する例が少なくない。

ちなみに、村上さんが住んでいた当時の建物はすでに建て替えられているが、現存する築70年近い「南寮」が構造的には近いという。世界から来る村上さんのファンが和敬塾を訪れ、南寮の見学を希望することもある。南寮は老朽化が進み学生が住める状態ではないが、学生寮らしい雰囲気を残しているため、ドラマのロケなどでも使われる。

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