ごみ処理を支える「影の技術者」知られざる実態 清掃工場でも深刻な「設備管理職」のなり手不足

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ごみクレーン
清掃車2台分のごみをつかめる「ごみクレーン」(写真:筆者撮影)
点検を受けるごみクレーン
点検を受けるごみクレーン(写真:筆者撮影)

設備管理職員の働く作業環境は、労働者が敬遠する3K(きつい、汚い、危険)で、40〜50℃ぐらいの場所、ほこりが舞う場所、高所や狭所での作業もある。また、運搬されてきたごみをためる「ごみバンカ」でのごみクレーンの点検保守は、臭いのきつい場所での作業となる。

これらの作業では、高速切断機といった扱いに危険を伴う器具を使用する場合やガス溶断を行う場合もある。また、機械の保全で潤滑剤(グリス)を使用すれば作業着は油で汚れる。

焼却プラントでの点検業務を見学

このように過酷な作業環境を体験するため、筆者も焼却プラントでの点検業務を見学させていただいた。プラントの中に入ると、その熱気に驚いた。動くとすぐに汗がにじみ出て、シャツに染み込んでいった。

佐藤さんによると、点検では自分の視覚、聴覚、嗅覚、触覚を生かし、機器の不具合を早期に見つけて補修作業をするという。慣れてくると通常時と故障時の機械の音がわかってくるようになると説明を受けたが、慣れるまでかなりの自己努力が必要であることは容易に想像がついた。

プラントの中には無数の機械がつながって稼働しており、個々の役割について筆者の理解は追いつかなかった。しかし、設備管理職員はその中の構造も含めて設備を把握しており、不具合が起こればすぐに修理ができる。かなりの経験や知識を蓄積しなければ務まらない仕事であると痛感した。

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