「御上先生」伝授"思い出す勉強法"で成績は伸びる ただ教科書やノートを見返すだけの復習はダメ
しかし、今回御上先生が紹介している「アクティブ・リコール」は、これとはまったく異なります。何か教材を用意するのではなく、ただ、自分の頭だけで思い出そうとする。これが、この勉強法の本質です。
実はこの「アクティブ・リコール」、名前がカタカナであることからもわかるとおり、海外発祥の勉強法です。2010年代に、認知脳科学や心理学などの研究成果から、「思い出すこと」に焦点を当てた勉強法が効果的だということがわかりました。
一足早く、海外で広まったこの勉強法は、近年、書籍やSNSなどを通じて、日本でも徐々に普及してきました。有名な研究論文としてはこちらがあります。興味がある方は、ご参照ください。
覚えるより、思い出すほうが大変
なぜ、何も見ずに思い出す勉強法が、効果的なのか?
これは、人の記憶の仕組みを考えてみると、よくわかります。私たちは、何かを記憶するというとき、「覚える」という作業と「思い出す」という作業の2つをこなしています。
「当たり前じゃん!」と思われる方が多いのではないかと思いますが、この区別はとても重要です。なぜ重要なのかというと、人間の記憶の弱点は、大概、「思い出す」ほうにあるからです。
例えば、初対面の人の名前を記憶するという状況を考えてみましょう。
自己紹介をされたときに「ああ、是枝さんって言うんですね。よろしくお願いします」というやりとりをする。これは、「覚える」作業ですね。そして1カ月後に、再会したときに、「あ、ええっと、あっ!是枝さんですよね!」となる。これは「思い出す」作業ですね。
よく「人の名前を覚えるのが苦手なんですよ〜」と言う人がいますが、実はこういう人でも、人の名前を聞いたら、「ああ、そういう人いたな」と、案外、初対面のときの話を覚えているんですよね。「是枝さん?そんな名前の人、出会ったことありましたっけ?」となる人は、めったにいません。
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