海外記者が見た「日本の中居報道」に潜む異常さ サルを追いかけるのにはヘリコプター使うのに

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一方、アメリカでは2017年にアメリカのテレビ界で最も有名なキャスターであったマット・ラウアーが身元不明の女性からセクハラ被害を訴えられた際、NBCニュースの人事・法務部はこの女性の代理弁護士と面会し、すぐさま調査を実施。申し立ての24時間後には人気番組を20年間担当していたアウラーは解雇された。

同日、『ニューヨーク・タイムズ』紙や『バラエティ』は、匿名ではあるが信頼性の高い数十件のインタビューに基づく同様の証言を報道している。

日本のメディアが今しなければいけないこと

フジテレビの港浩一社長は1月17日の会見で、2023年6月にはすでにこの問題の存在を知っていたが、被害者を「守る」ために行動を起こさなかったと主張した。

だがこの時点でフジテレビがNBCのように行動していれば、日本にとっていい前例となっていたかもしれない。従業員など利害関係者は守られ、株主は企業価値やブランドの毀損に伴う損失を回避できただろう。

今からでも遅くない。報道機関としての側面もあるフジテレビ、そして日本のほかのメディアも行動を起こすことはできる。

なぜ被害者はフジテレビの上司から可能な限りのサポートを受けられなかったのか?なぜ彼女は辞職したのか?フジテレビは彼女を引き留めるために最善を尽くしたのか?なぜフジテレビは中居を呼び出さなかったのか?このような問題を二度と起こさないためにはどうすればいいのかーー。メディアとして探らなければならない問題は山ほどあるはずだ。

(敬称略)

レジス・アルノー 『フランス・ジャポン・エコー』編集長、仏フィガロ東京特派員

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Régis Arnaud

ジャーナリスト。フランスの日刊紙ル・フィガロ、週刊経済誌『シャランジュ』の東京特派員、日仏語ビジネス誌『フランス・ジャポン・エコー』の編集長を務めるほか、阿波踊りパリのプロデュースも手掛ける。小説『Tokyo c’est fini』(1996年)の著者。近著に『誰も知らないカルロス・ゴーンの真実』(2020年)がある。

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