部下困惑!「石破構文」的な話し方「改革のススメ」 ビジネス現場で「いるいる!」 話し方改善の方法
部下「部長、来月から始まる新プロジェクトについて、具体的な目標や役割分担をうかがいたいです」
上司「いいかい。新プロジェクトというものは、まずもって組織全体が一体となり、互いに協力し合うことが重要だ。だが、必ずしもその段階においてすべて明確になるとは限らない。
個々のメンバーがどう動くべきか、あるいはどのような形でサポートを行うのか、そういう点において、その都度検討を重ねていく必要があると考えるわけで、すぐに結論を出すのではなく、慎重に進めることが肝要だと私は思う」
部下「ええと……。つまり、今は方針そのものがまだ固まっていないという理解でよいのでしょうか?」
上司「固まっていないというよりも、むしろ各部署の状況を踏まえながら最適解を模索している段階であると言いたいんだよ。
この大事な、新しいプロジェクトが、大きく花開くためには、焦らずに可能な限り、多角的な視点を取り入れねばならないと私は考えているので、そうした視点から具体化を図る準備に着手していく必要がある、ということだ」
部下「ということは、具体的な役割分担やスケジュールは、もう少し後に発表されるということですね?」
上司「一概に後、というわけでもなく、それぞれ現場の声や、関連部署の動向を見極めながら決定していくということだ。いずれにせよ、明確なスケジュールを提示する際には……」
このように「石破構文」的な話し方をすると、質問への答えが遠回りになる。「結論ファースト」の話し方になっていないので、聞き手にとって要点が見えにくいという問題が生じやすい。
こうした話し方は一見丁寧だし、親切にも見える。背景や前提を押さえつつ話そうとしているからだ。ただ実際には、結論がはっきりしないまま時間だけが過ぎることも多い。意思決定すべき会議等では話がかみ合わず、混乱を招くことも多いだろう。
「石破構文」はなぜ嫌がられるのか
「石破構文」のような話し方をする上司はそれほど珍しくない。
複雑な状況を説明しようとして、あれこれ補足や経緯を説明するあまり、肝心の結論がわかりにくくなる。そんな話し方をする人は多い。特に経営者や社歴の長い管理職だ。自社のことはもちろん、業界やライバル会社のあらゆる面で、歴史や背景を知っているからだ。
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