休職して元気に海外旅行へ--最近企業で続出する「新型うつ」
精神科で専門医師が診断すると、うつ病の症状は出ていない・……。ところが、「新型うつ」の“患者”は、「先生、ストレスが重くて休みが必要だ、と診断書に書いてください」などというのである。
最近、「新型うつ」が、企業内で続出している。
会社にいるときは「うつ」、週末は元気
「新型うつ」では、会社にいるときは「うつ」になり、週末は元気になる、というタイプもあるようだ。これについて周囲の人たちにヒヤリングすると、「気持ちはわかる」、という人が少なくない。確かに、会社に行く日は朝がしんどい。週末は、朝、ぱっと目が覚めて、外出できる。
「週末に行方不明ということで、みんなで必死に探したら、本人は元気に遊んでいた」。カウンセラーたちが心配していたら、本人は“ゲンキハツラツ”だったというのだから、始末に悪い。なかには、会社を休職扱いにしてもらい、元気に海外旅行に行っていたなどの事例もあるそうだ。
「新型うつ」の人は、周囲から知能犯とか、ずる賢い、などと評されることもあるが、これも「うつ病」といえば「うつ病」といえるらしく、「非定型うつ病」という範疇に入る。これが病気といえるのか、という思いはあるが判定はなかなか難しい。
以前の「うつ病」では、全部を自分のせいと、すべてを背負い込むような真面目な性格の人が陥ることが少なくなかった。「新型うつ」にかかる人は、こうした性格ではないことが多い。