「試験中に眠くなる」という生徒に対して「寝ればいい」と伝えると、「そんなことをさせてはいけない」と叩かれることもあるのですが、私から見ると、そうした人たちは試験の本質を見誤っているように映ります。
そもそも試験の目的は「試験をまっとうに受けること」ではなく、「合格点を取ること」です。受験生のやるべきことは、「試験のルール内で、どんな手段をとってでも、合格点をとれるように最大限の努力をすること」といえます。
逆を言えば、合格点を取ることにつながらない行為なら、一般に必要だと思われていることでもしなくていいし、合格に直結するなら一般に不要と思われている行為でもすべきなのです。
自分の力を発揮する方法を考える
集中力が切れたタイミングで寝るべきだとお伝えしたのは、集中力が切れている状態で考えても、普段通りの効率で思考を進めることは難しいと考えられるからです。普段は1の力を発揮できる人が0.5の力になると考えてください。普段なら30分で解けるはずの問題は、1時間かかる可能性が出てきます。
対峙しているのが時間をかければ解ける程度の問題ならば、だらだらと問題に向き合ってもよいかもしれませんが、大学受験の試験はむしろ、思考の瞬発力が求められます。限られた時間で最大限の結果を叩きつけることが求められている以上は、単位時間当たりの仕事量を最大化する必要があります。要するにタイムパフォーマンスに優れた自分をつねに提供しなくてはならないのです。
ただし、この方法は試験本番に土壇場で行うべきではありません。試験中に入眠して、そのまま試験終了の合図を聞き逃さないためにも、入念な準備が必要です。
私は普段の学習中から、眠くなったら机で眠るようにしていました。そのとき、携帯のアラームなどをかけず、時計だけを見て「これから10分だけ寝よう」と時間を決めて、あとは勘でその時間程度の仮眠をとりました。最初は寝すぎたり、まったく眠れなかったりしましたが、徐々に慣れてくると10分程度の仮眠をきっちりとれるようになりました。
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